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ホームページ制作に関する不安や悩み(第3回)| 何をどんな風に相談すればいいか分からない…

10年以上Web業界に携わってきた中で、ホームページに対するクライアントの不安や悩みに関する多くの声に触れ、クライアントがどのようなことに不安や悩みを持つのか傾向を掴んできました。そういった実際の声を改めて拾い集め、クライアントが抱える不安や悩み、ときにはWeb制作会社に対する不満の声に答える形で「ホームページ制作に関する不安や悩み」としてブログをシリーズ化し、これから複数回に渡り発信していきます。この記事はその第3回目です。

何をどんな風に相談すればいいか分からない…

「本格的にホームページを作ったことがないので、何をどう相談すればいいか分からない」というのは、過去に当社が実際にお手伝いしたクライアントの社長さんから伺った話です。その社長さんは申し訳なさそうな感じでおっしゃっていたのですが、「何をどう相談すれば良いかはっきり分かっている人のほうが少ないですよ。全く気にされないでください。」とお伝えしました。

これはその場を取り繕うために言ったわけではなく、事実だと感じているからで、本当にそう思っての言葉でした。

この社長の心理としては「具体的にどう進めるのか全く見えず、ホームページを作り上げることができるのか?」という不安な心理を表しているのだと思います。Web制作会社側としては、こうしたクライアントの不安要素をいかに丁寧に取り除くことができるか、が重要だと考えています。

この記事ではホームページの進め方や、事前に何を用意しておくべきかをお伝えすることで、ホームページの制作に関する不安を少しでも取り除くことを目的に書き進めたいと思います。

最低限のことだけを用意し、あとはWeb制作会社に相談する

通常はWeb制作会社がリーダーシップを取り、クライアントから必要な情報を聞き出し、その情報を組み合わせてホームページを作成していくことになるので、必要以上に制作前からどのように相談すればよいかとあまり気にしないで大丈夫です。

ただし、Web制作会社ごとに進め方は違いますし、全てのWeb制作会社がリーダーシップを取って進めてくれるとは限りません。そのため発注したけど、結局どう進めるの?と不安をいだいてしまう可能性はゼロではありません。こうならないためにも、依頼前の打ち合わせにおいて、具体的にどのように進めるのかを聞いておくと良いでしょう。

Web制作会社ごとにやり方は違うとしても、最低限聞いておきたいこと、教えていただきたいこと、用意していただきたいことなどはある程度共通すると思いますので、それらを当社の考えではありますが一通りお伝えします。

ホームページ制作にあたり用意しておくべきこと

自社の事業について業界に詳しくない人でもわかるようにまとめておく

Web制作会社はクライアントが属する業界について、専門家ではないので精通している事は基本的にありません。このことは、ブログ「ホームページ制作に関する不安や悩み(第1回)」で詳しく書きましたので、合わせて読んでいただければと思います。

そのようなことから、自社の事業について、誰がお客さんで、どのようにお客さんにアプローチし、売上をあげているのかなど、業界について詳しくない人でも分かるように伝える準備をしておくと良いです。さらにWeb制作会社へ渡せる資料があれば、それも用意しておくと良いでしょう。

この記事を書き進めながら思い出したのですが、そういえば過去にこのようなことがありました。あるクライアントの社長から「こんな資料は役に立つか分からないけど…」と送られてきた資料がありました。

いただいた資料を読み込むと、他社とは違うその会社の特徴であると思える内容や、サービスの開発秘話などがあるなど、資料がなければ知り得ないような内容が含まれていました。実際にこの時いただいた資料がきっかけで情報を追加したり、さらにはページ自体も新しく用意することにしました。

Web制作会社は資料を読み込む時間が必要となりますし、もちろんなんでもかんでも渡せばいいという訳ではありません。ただ「これは役に立つかな?」という資料や情報は、迷ったら基本的にはWeb制作会社へ伝えておくことをお勧めします。

また、業界のことだけではなく、どの部分が特徴で他社とは違うのか、どのようなことを大切にしているのか、これから何に注力していこうとしているのかなどを可能な限り伝えていく姿勢が重要です。逆にWeb制作会社としては、クライアントからそのような情報をどれだけ引き出せるか、その手腕が試されることになります。

良いホームページを作るには、できるだけ情報をオープンにして共有することが重要です。Web制作会社に全て丸投げしたら、あなたの会社のビジネスに貢献するようなホームページが出来上がるなんてことはあり得ません。ホームページはWeb制作会社と一緒につくっていくものなのです。

自社のサービスを利用するお客さまが抱える業界への不安や不満、悩みなどを明確にする

当社としてはここが非常に重要だと考えているのですが、あなたの会社への不安や不満ということではなく、競合も含め業界全体に対するお客さまの不安や不満という意味合いです。

ほんの一例に過ぎませんが、Web業界のお客さまの抱える不安や不満といえば次のようなものがあります。

  • レスポンスが遅くストレスがかかる
  • 専⾨⽤ ばかりで話を進める
  • 新しいホームページを作っても全然問い合わせがない

などです。これらの不安や不満に対して、自社では具体的にどう対応しているのかも合わせて明確にしておくと良いでしょう。もし、自社では今ひとつ把握できていないようであれば、Web制作会社と一緒になって明確にしていくことが重要です。

こうした工程を踏むことで、ホームページ上で何をどのように訴求すれば、お客さまが抱える不安や不満を少しずつ取り除いていくことができるのか、より具体的にイメージできるようになります。

こういった業界ならではの不安や不満は、Web制作会社側で把握するのは難しく、やはり日々現場でお客さまと関わるクライアントに教えていただく必要があります。

なぜ新しいホームページが必要なのか、何を期待しているかを明確にする

新しいホームページを作ろうと検討している場合、必ず何かしらの理由があるはずです。「既存のホームページは10年近く前に作成したものでスマートフォン対応ができていない」「サービス提供内容が変わったが既存のホームページの機能では対応できない」など、何らかの理由があると思います。

それと同時に新しいホームページに何を期待しているのかを明確にしておくことが重要です。ほとんどの場合、直接的・間接的ではあるにしろ、ホームページは自社のビジネスの売上、もっといえば利益につなげたいという思いがあるはずです。

ECサイトであれば購入がゴールなので分かりやすいですが、BtoBなどはホームページ上で購入や契約が決まることは少なく、ホームページの目的はお問い合わせであったり、資料ダウンロードだったりします。

そのため、例えば新しいホームページではお問い合わせを今より◯%アップしたい、と期待するかもしれません。ホームページの目的はクライアントによって変わるもので一概に言えるものではないのですが、新しいホームページに期待していること・目標などを明確にしておくことが重要です。

目的が曖昧であれば、出来上がったホームページも曖昧なものとなり、結果的に誰もハッピーにならないということが起こり得ます。

今のホームページで不満があればピックアップしておく

既存のホームページがあり、リニューアルを検討しているという場合の話になりますが、もし既存のホームページにおいて不満があれば、それを解消することも大事な目的の一つになりますので、Web制作会社へ伝えてください。

良いなと言うホームページがあればURLを控えておく

日々、あなたもネットを利用しさまざまなホームページを訪問していると思います。その時に何かこのホームページはいいな、自社のホームページの参考にしたい(場合によっては参考にしたくない)といったホームページに出会うと思います。

それは見た目のデザインのことかもしれませんし、機能的な部分かもしれません。とにかくそのような場合は、そのホームページのURLを控えておき、Web制作会社にそれを伝えてください。その際、可能であればどこ・何が良いと感じたのかも言語化できると、よりWeb制作会社としても理解が深まり認識を共有できます。

当社の大まかな進め方

あくまで当社の例ではありますが、プロジェクトの大まかな流れをお伝えします。実際にはもう少し細かくなりますが、一つの参考として捉えていただければと思います。

ヒアリングシートへの記入

プロジェクト開始後にまず当社の方でヒアリングシートを作成します。どのクライアントでも必ず確認する項目をベースに、ご支援することになるクライアントの業界に関することや、そのクライアントの特長や強みに関することなど、ホームページを制作するために必要な情報をまとめます。

出来上がったヒアリングシートはクライアントに送付し、可能な範囲で回答していただきます。

対面でのヒアリング

ヒアリングシートが戻ってきたら内容を確認し、理解ができていない部分、さらに深堀りたいことなどをピックアップして、対面のヒアリングで直接確認していきます。オンラインで行うこともあります。

競合サイト分析・ログ解析

競合する企業やサービスを教えていただき、競合サイトの分析を行います。業界として抑えるべきコンテンツの確認、競合サイトより優れている部分・劣っている部分の把握、業界としての傾向などを把握・分析します。

さらに既存サイトがありGoogleアナリティクスなどの分析ツールを導入している場合、アカウントを共有させていただき、ユーザのアクセス情報や閲覧状況などを分析します。

事業整理・顧客整理

クライアントが提供している事業の業界としての特徴、クライアント自身の事業特性などを整理します。また展開している事業を利用するお客さまの情報についてもペルソナ作成などを通して整理していきます。

さらに該当する業界において、共通するであろうお客さまの不安や不満も明確化します。この理解が非常に重要で、当社では特にここに力を入れています。なぜならこの後のコンテンツ設計や、訴求の仕方などが大きく変わるからです。

コンテンツ設計

どのような情報があればお客さまの不安を取り除くことができるのか、またホームページ上でのどう訴求すれば不安を解決できるとイメージしてもらえ興味・関心を持ってもらえるのかにつなげていきます。

サイト全体設計

整理したコンテンツをサイト全体としてどのようにグループ化して情報を整理・配置し、それぞれの情報に辿りつきやすくするための導線設計をどうするかなど、全体の設計を進めていきます。

ワイヤーフレーム作成

デザイン制作に入る前に、情報の見せる順番、情報と情報のスペースのとり方、また写真やボタンの配置位置など、レイアウト構成について大まかな設計図を作成します。この工程を経て、はじめて実際のデザイン制作に入っていきます。デザインが決まればホームページとして閲覧できるようページを作成したり、必要な機能を構築するなどの制作に進みます。

まとめ

「どのように相談すればよいか分からない」と思われる方はあなただけでなく、多くの方が感じることだと思います。ですので、そのこと自体を気にされる必要は全くありません。ただし「必要な情報を共有する」などWeb制作会社へ協力する姿勢は必要になってきます。

ホームページは「クライアントとWeb制作会社が一体となって作っていくもの」と当社では考えていますが、その理由は今回の記事を読んでいただけると少しは理解いただけるのではないでしょうか。ぜひ依頼したWeb制作会社とともに良いホームページを作ってもらえたらと思います。

ブログ「ホームページ制作に関する不安や悩み」シリーズは下記もありますので、興味ある内容があればぜひご覧ください。

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