ブログとSNSの違い | それぞれの特性や役割などについて解説
ホームページをもっと活用していくために運用が重要だと感じているが、ターゲットユーザーへの情報発信にはブログの他にも各種SNSがあり、どれに注力すれば良いか分からない。そんなお悩みを抱えているWeb担当者や個人事業主の方も多いと思います。
そこでこの記事では、上記のようなことで迷われているWeb担当者や個人事業主の方に向けて、ブログとSNSのそれぞれの特性や役割、どちらに注力すべきか迷った時の考え方などについて、私たちが考えていることを解説していきます。
[ 目次 ]
ブログとSNSは何が違うのか?それぞれの特性は?
ブログとSNSは情報発信のためのツールという点、また自社で発信のコントロールができる点では同じですが、特性や役割がそれぞれ異なります。まずはそれぞれの特性について押さえておきましょう。
ブログの特性
ブログはストック型のメディアと言われています。この記事に辿り着いたあなたであれば、「ブログ SNS 違い」などでネット検索した経験があるのではと思います。そのため、ブログ=ストック型、SNS=フロー型のメディア、といったことは目にしたことがあるかもしれませんが、念のためここでもおさらいしておきます。既に知っているよという方は、この章は読み飛ばしていただければと思います。
ブログがストック型のメディアと言われている理由は下記になります。
- 発信した情報が蓄積される
- ターゲットのニーズを満たした記事は、継続的にアクセスを集めることができる
それぞれ詳しく解説していきますが、1つ前提条件を揃えておく必要があります。
この記事でいう「ブログ」とは、アメーバブログやnoteなど他社が提供するブログツールを使用したものでなく、自社のホームページの一部としてブログを運用するなど、自社のコントロール下にあるブログを前提として話を進めます。
発信した情報が蓄積される
ブログ記事は自ら削除しない限り、基本的にアーカイブとして蓄積されていきます。つまり記事を書けば書くほど、ページ数が増え情報がストックされていきます。そしてブログそのものがデータベースのような役割を担うようになります。
ブログの構築方法によって異なる場合もありますが、通常はジャンルごとにカテゴリーやタグで分類できるようになっているので、ユーザーも情報を探しやすい仕様になっています。
また、記事内や記事の終わりに他の記事へのリンク(内部リンク)を設定できるので、関連性を持たせながら記事を整理できます。内部リンクを適切に設定することは、SEO的にも有効です。
内部リンクがなぜSEOにおいて効果的かの理由については、長くなるのでこの記事では割愛します。別途記事を作成しましたら、こちらに内部リンクを設置させていただきます。
ターゲットのニーズを満たした記事は、継続的にアクセスを集めることができる
ユーザーの検索意図に十分応えることができている質の高い記事は、検索エンジンからの評価も高くなるため、検索結果において上位表示されやすくなります。しかも、長い期間上位表示することもあり、その間はアクセスを継続的に集めることができます。
実際に当社の記事「ホームページの更新や修正を新しいWeb制作会社へ依頼する時に気をつける7つのこと」は、設立後初めて書いたブログ記事ですが、5年半近く経った今も多くのアクセスを集めてくれる記事です。
ただし、情報が古くなり内容が適切ではない場合は、リライトする必要があります。そのような対応をしなければ、アクセスを集めていた記事だとしても、徐々に検索順位が落ちそれに比例するようにアクセス数も落ちてくることになります。
永遠に何もしなくて良いということではありませんので、その点頭に入れておきましょう。
SNSの特性
ブログはストック型のメディアと言われるのに対して、SNSはフロー型と言われるメディアです。
SNSには下記のような特性があります。
- 常に新しい投稿が優先され情報が流動的
- 拡散力がある
- 双方向のコミュニケーションが取りやすい
それぞれ解説していきます。
常に新しい投稿が優先され情報が流動的
新しい投稿が優先され古い投稿は流れる仕組みのため、鮮度が高い情報に触れることができますが、一方で古い投稿を見たいと思っても見つけ出すのは、なかなか手間がかかります。これがフロー型と言われる理由です。
拡散力がある
拡散力があることはブログとの大きな違いの一つです。フォローやいいね、シェアやリポストといった情報を共有する仕組みがあるため、一気に拡散され多くの方の眼に止まる可能性があります。
双方向のコミュニケーションが取りやすい
ブログに比べ返信やコメントが簡単に行えること、また心理的ハードルも低いことから、情報の発信側と受け手が双方向でコミュニケーションが取りやすいツールと言えます。
ブログをSNSの違いをまとめると以下のようになります。
ブログ | SNS | |
---|---|---|
タイプ | ストック型 | フロー型 |
情報の性質 | 永続的 | 一時的 |
コミュニケーション | 一方向 | 双方向 |
目的 | 情報発信、記録 | コミュニケーション、情報共有 |
ブログが資産と言える当社の事例
ブログが資産と言われることは、何となくでもご理解いただけたと思いますが、実際に当社の事例を1つ紹介します。
先ほどもちらっと触れましたが、当社のホームページのランディングページ(ユーザーが最初にアクセスするページ)において、2024年9月現在、全てのページの中で3位に位置しているページは「ホームページの更新や修正を新しいWeb制作会社へ依頼する時に気をつける7つのこと」のブログ記事です。
この記事は2019年1月10日に会社を設立して初めて書いたブログで、既に5年半が経過していますが今でも多くのユーザーを連れて来てくれます。また、実際の問い合わせに繋がるという点で見ると、このページが圧倒的1位になっており、当社にとっては非常に重要なページであり続けています。
何度かリライトを行いましたが、記事を作成したのは5年以上も前です。このようにユーザーの検索意図に応えているコンテンツと認識されれば、長い間検索結果の上位表示が可能となり、結果的に多くのユーザーがアクセスし続けてくれます。
この例からみても検索結果で上位表示されるためには、必ずしも鮮度が重視されている訳ではなく、情報の質がより求められていると私たちは考えています。
ブログとSNSの役割の違い
ブログの役割
ターゲットユーザーのニーズに応える、つまりユーザーの役に立つ情報を届ける役割があります。
ブログは詳しい説明など長文の情報作成には最適です。特にユーザーが抱える課題や悩み、もしくはサービス購入前の不安が大きい商材を自社が扱っている場合、ユーザーの困りごとを解決する場として機能します。時間がかかってでも、理解を深めたいと考えているユーザーの需要に応える役割を担います。
SNSの役割
SNSはコミュニケーション形成の役割があります。
フォローしてもらうことができれば、フォロワーのフィードにコンテンツが表示されやすくなり、接触頻度が増えます。また、コメントなどのハードルも低いため、双方向のコミュニケーションを通じて、親近感を持ってもらったりと、ユーザーとの関係性を深めていく役割があります。
またブログを配信した際のお知らせ機能としての役割を担うこともあります。
ブログとSNSには相性がある
自社が扱っている商材によっては、ブログ、もしくはSNSの方が相性が良いといったことがあります。この章ではブログ・SNSそれぞれ相性が良い企業(商材)について解説していきますので、一つの参考としていただければと思います。
ブログがおすすめな企業(商材)
高額な商材を提供している企業
車や不動産など、高額な買い物をする前は、当然ながらユーザーはより多くの情報を集め慎重に検討したいという心理が生まれます。このような心理状態のユーザーに対して、詳細な情報を提供する必要がありますが、それはブログの方が圧倒的に相性が良いと言えます。
専門性の高い商材を提供している企業
医療機器、ITシステムなど、専門性の高い商材を提供している場合、ブログで専門的な情報を発信することで、ユーザーのニーズに適切に答えるだけでなく、信頼感を醸成し取引先候補として認識してもらう可能性を高めることができます。
BtoB向けの商材を提供している企業
通常一般企業では個人の感覚で新しいサービスを導入することはあり得ません。自社が抱える課題を解決できるサービスなのか?費用対効果は適切か?そういった基準でサービスの導入を決めます。そのため、顧客の課題解決に役立つ情報を惜しみなく提供することで、自社が提供する商材を検討してもらう土俵に乗ることができます。
SNSがおすすめな企業(商材)
アパレル、コスメ、飲食などビジュアル重視の商材を提供している企業
アパレルの世界観、コスメの質感、料理のシズル感などは、文章よりも視覚で訴求する方が圧倒的に伝わります。特にInstagramは視覚的な要素が重視される商材との相性が良く、商材の魅力を最大限に引き出すことができます。
若年層をターゲットとした商材を提供している企業
10代20代といったZ世代の若年層は、Googleなどの検索エンジンを利用せず、SNSで検索することが増えていると言われています。実際に下記のような調査結果も出ています。
引用:スマホで検索するときに重視していることや調べるジャンルは?| LINEリサーチ調査レポート
今後もこの傾向は強くなる可能性があり、若年層向けの商材を扱っている企業はSNSとの相性が良いと言えるのではないでしょうか。
キャンペーンやイベントを頻繁に行なっている企業
リアルタイムという点では、検索エンジンより圧倒的にSNSの方が有利です。短期間でできるだけ情報を拡散させたい場合にSNSは効果的です。キャンペーンやイベントの告知だけでなく、開催中の様子をリアルタイムで配信するといったこともSNSは相性が良いため、イベントなどを頻繁に行う企業にはおすすめです。
ブログとSNSのどちらに注力すべきか?迷ったら考えること
ここまでお伝えしてきたことのポイントを踏まえて判断すると良いでしょう。改めてまとめると下記になります。
- 自社の提供商材やターゲットと相性が良いのはブログとSNSどちらか?
- ブログとSNSの特性や役割を考えた時、自社がやりたいことはどちらに近いか?
上記のポイントを踏まえ、最終的に判断すると良いと考えています。この記事ではリソースが限られていて、ブログかSNSかどちらかに注力することを前提にしていますが、リソースに余裕があるのであれば、両方を運用しそれぞれの特性を活かして情報発信すると良いでしょう。
ブログの効果は中長期で考える
最後に1点だけ注意事項をお伝えしてこの記事を終わりたいと思います。
SNSもすぐに効果が現れるとは限りませんが、特にブログは短期で成果を求めるものではなく、中長期の施策として見る必要があります。数本記事を書いたからといってすぐに効果が現れるわけではありません。もちろん1つの記事でもユーザーの需要に応えた質の高い記事で、さらにSNSでもシェアされるなどすれば、それだけで多くのアクセスを集められる可能性はゼロではありませんが、そのような記事を作成するのは至難の業で再現性がありません。
通常は数十本、場合によっては50本近く記事を書いて、ようやくアクセス数がブログ作成前後で目に見えて増えてくるなど、効果が現れてくるものです。アクセスが増えてくれば、記事を起点にした問い合わせが発生する可能性も高まります。
ブログの記事作成を1、2ヶ月やって「目に見えた効果がないから」とやめてしまうのは早計です。最初からアクセスや問い合わせに目標を設定するのではなく、記事作成は労力がかかることから、最初の数ヶ月は自社で決めた頻度で記事作成を行なって公開できるかなど、別の数値に目標を置くなどすると良いと思います。
とにかくブログは中長期施策として捉え、「後々自社を助けるもの」と考えて取り組むことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ブログ・SNSのそれぞれの特性や役割、相性などについて少し理解が進んだことと思います。まずどちらに注力すべきか迷われていた場合、もしかしたらこの記事で注力すべき方向性が見えたという方もいるかもしれません。
いずれにせよ、この記事があなたの会社の情報発信に少しでも貢献できたなら嬉しいです。
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