ホームページ制作における「リニューアル」と「改修」の違い
ホームページ制作においてよく聞く「リニューアル」という言葉。この言葉はユーザーによっては「改修」の意味で捉えられ、Web制作会社と認識がズレたまま話が進み、なかなか話が噛み合わない。なんてことが発生することがあります。
実はこれ、実際に当社が経験した失敗談です。 Web制作業界では当たり前のように使われる「リニューアル」ですが、この言葉の定義は人によって様々であることから、共通の認識を持つために、この言葉の定義をはっきりさせておく必要があると感じるようになりました。
この記事に辿り着いたということは、既にホームページを持っていて、そのホームページを改善しようと考えているが、「リニューアル」と「改修」の違いについてはっきりさせておきたい、そもそもよく分からないから違いを知りたい、といった方が多いのではないかと思います。
そこでこの記事では、既に既存のホームページを持っている企業規模〜20名程度の経営者、個人事業主の方にに向けて、ホームページ制作における「リニューアル」と「改修」の違いについて、詳しく説明します。
[ 目次 ]
ホームページ制作における「リニューアル」と「改修」の違いとは?
ホームページのリニューアルとは
リニューアルを辞書で調べると下記のように記載されています。
(新しくする意から)店舗などを改装すること。また、年を再開発すること。
出典:学研 現代新国語辞典
とあります。他にもネットで調べると、古くなったものを更新、再開発することと書かれていたり、再生、改修の意と書かれています。「改修」が含まれているので、一般の方はホームページのリニューアルといったら改修のことと捉えるのも無理はありません。
しかし、Web業界において「リニューアル」は、既存のホームページを全面的に作り直すことを意味します。コンテンツは既存のものをベースにして修正したり、さらに新しいコンテンツを作るなどすることが多く、全てを完全に作り直すことは稀ですが、見た目のヴィジュアルデザインについては、完全に刷新されることが多いです。
これがWeb業界で一般的に使われているリニューアルという言葉の定義です。ただし、これは言葉の定義をルール化しているわけではないため、Web制作会社によっては改修の意味でリニューアルという言葉を使っている場合も可能性はゼロではないことは注意が必要です。
ホームページの改修とは
一方、改修を辞書で調べると下記のように記載されています。
(道路・建物などを)手入れして直すこと。類語:修理
出典:学研 現代新国語辞典
とあります。ネットでは悪い部分を直すことや修理や改良の工事のことと書かれています。こう見ると改修の方が既存のものを再利用して状態を良くするという意味合いが強く感じますね。
Web業界も同じように、「改修」は既存のホームページの一部分を直すことを一般的には意味します。そのため、見た目のビジュアルデザインが大きく変更になることはなく、ユーザーから見たぱっと見の印象はそこまで大きく変わらないことが多い印象です。
しかし、明らかに導線が改善されてスムーズに目的のページへ遷移できるようになったり、コンテンツが充実して欲しい情報を得られるなど、ぱっと見では変わらないように見えても、改修前よりユーザーにとって価値あるホームページとなっていることが多いです。
当社で実際に経験した「リニューアル」と「改修」のお客さまとの認識のズレ
実は当社で失敗事例があります。失敗と言っても大きなトラブルになった訳ではないのですが、当社のホームページからお問い合わせいただいた際には、リニューアルをしたいということが書かれていたため、その想定で初回の打ち合わせを迎えたのですが、ご依頼者は既存のホームページを全面的に変更するのではなく、部分的に改良し今よりも良くしていきたいと考えていました。
しかし、当社では全面的に作り直すことを前提としていたため、最初はなかなか話が噛み合いませんでした。具体的なご要望を伺っていると既存サイトを活かして部分的に改良する「改修」であることがわかり、ようやく共通認識を持てたという失敗例です。
ちなみに、ご要望の内容と既存サイトの状況から、このクライアントの場合は改修ではなくリニューアルの方が良いと当社の方からご提案し、最終的にリニューアルすることになりました。
このような失敗経験を通し、その後はお客さまとお話しする際などには、当社では「フルリニューアル」とお伝えすることにしています。あなたの会社ももし発注側としてWeb制作会社に依頼する際は、ぜひ「改修」「リニューアル」の意味を理解し、その上でWeb制作会社とズレがないよう確認することをおすすめします。
自社がやるべきことはホームページのリニューアルか?それとも改修か?
目的を再確認する
ホームページの目的は、企業ごとに異なってきますが、概ね下記のようなことが例として考えられます。
- お問い合わせや資料請求など新規見込み客の獲得をしたい
- セミナーの申し込みを受付けしたい
- アクセス数を増やし認知を拡大したい
- ユーザーがストレスを感じる部分を改良しコンバージョン率を上げたい
- 求職者に対し自社の社風をよりリアルに伝えたい
- サイト運営をより効率的にしたい
現状の自社のビジネス、または自社のホームページの課題から、上記のような何らかの目的があるはずですが、もし目的が明確ではない場合は、まずは目的を明確にするところから始めましょう。
判断基準は?
リニューアルと改修、自社はどちらを選択すべきか、その判断基準については前章で説明した目的を基準にするが王道です。自社の課題を元にホームページの目的を設定することは、前章で少し触れましたが、その目的を達成するには、リニューアルと改修、どちらの方が良いか?という視点で考えることが重要です。
ただし、自社では判断ができないこともあると思います。その際は、Web制作会社の力を借りると良いでしょう。その際、全てWeb制作会社に丸投げするのではなく、自社の課題や自社なりに考えたホームページの目的をWeb制作会社へ伝え、一緒に考えていく姿勢を持つことが重要です。
なぜなら、自社で考えることなく作ったホームページは、その先ホームページを運営するにあたっても、何をどうすべきか自社では考えられず、永遠にWeb制作会社など外部に頼らざるを得ない体制から脱却できないためです。
費用、制作期間などの違い
リニューアルと改修についての違いを表にまとめてみましたので、ぜひご覧ください。
リニューアル | 改修 | |
---|---|---|
費用 | 高い | 安い |
期間 | 長い | 短い |
構造の変更 | 可能 | 難しい |
上記はあくまでも一般的な目安です。既存サイトの規模が大きかったり、複雑なつくりだったりする場合、全面リニューアルをしてもコストがほぼ変わらない、といったことも十分にあり得ますので、最終的には自社だけで判断せず、Web制作会社に確認するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。最後まで読んでいただいた方はホームページ制作における「リニューアル」「改修」の言葉の違いをご理解いただけたのではないかと思います。とはいえ、記事中でも触れましたが、あくまでも一般論ですので、もし外部のWeb制作会社に依頼する際は、念のため確認することをおすすめします。
あなたの会社のホームページの改善に少しでも寄与できたら嬉しいです。
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