ホームページの制作をWeb制作会社に丸投げするとなぜ失敗しやすいのか? | 成果を出すホームページ制作を支援するプロが詳しく解説
ホームページを新規作成する、もしくは既存サイトをフルリニューアルする必要がある、けれど本業が忙しいからホームページ作成はWeb制作会社に丸投げしたい…ネットで調べてみると「丸投げOK」という会社があるので依頼しようと思ったが、「Web制作会社に丸投げはNG」「Web制作会社に丸投げは失敗する」といった記事もちらほら見かける。実際、本当に丸投げしてよいのだろうか?
この記事にたどり着いたあなた、もしくはあなたの会社はこのような迷いを持っているのではないでしょうか?
この記事では、企業規模〜20名程度のWeb担当者や経営者、個人事業主に向けて、丸投げするのは失敗するホームページの要因になること、ホームページ制作はWeb制作会社と一緒に作っていく姿勢が大切なことについて、あくまでも当社視点になりますが、その理由について解説していきます。
[ 目次 ]
丸投げはホームページ制作の失敗の要因になるのはなぜか?
今まで数百のホームページ作成に携わり確信していることがあります、それはクライアントのことを理解しなければビジネスの成果に繋がるホームページはできないということです。
具体的には下記の3つが特に重要だと考えています。
- 提供商材を理解する
- 商材を購入(利用)する顧客について理解する
- クライアントのカルチャーを理解する
なぜこれらが必要だと言えるのか?これからそれぞれ詳しく説明していきますが、言葉の定義を明確にしておかないと話がわかりづらくなる恐れがあるので、この記事内において下記のように言葉の定義をしたいと思います。
クライアント:ホームページ制作をお手伝いする会社やお店
顧客:クライアントの商材を購入、または利用するお客さま
上記を念頭において読み進めていただければと思います。
提供商材を理解する必要がある
当たり前ですが、まず商材を理解する必要があります。クライアントが提供している商材が、業界において圧倒的な独自性があり、クライアントしか取り扱いがない、というのは稀なケースです。ほとんどの場合、他の企業も同じような商材を扱っているので、ネットで調べるだけでもある程度、商材についての情報は集めることはできます。
しかし、それはあくまでもその商材の一般的な情報でしかありません。仮に特長などの情報を得たとしても、それは競合企業の特長や強みであって、クライアントの特長ではありません。
私たちが理解する必要があるのは、クライアントが提供する商材が、競合他社の商材と何が違うのか?どのような特長があるのか?を知ることです。簡単にいうとなぜ支持されていて購入されているのか、その理由を深く理解する必要があります。深く理解することができなければ、当たり障りのない一般的な情報で商材を紹介するだけのカタログのようなホームページになります。
特に今まで何年も事業を継続している場合、顧客が購入し続ける何らかの理由があるはずで、それがクライアント独自の特長と言えます。その特長を言語化し、ホームページ上で顧客に分かりやすく訴求する必要がありますが、クライアントが提供する商材の特長を私たちWeb制作会社が理解しなければ、適切に訴求することができません。
クライアントの提供商材を深く理解するためには、クライアントの協力が必須です。丸投げしておいて、「後は提供商材について顧客を振り向かせるような特長を分かりやすく的確に訴求してね」というのは無理があります。
クライアントの協力が得られない場合、一般的な情報を単に掲載するだけになりますが、それで成果がでると思いますでしょうか?
商材を購入する顧客について理解する必要がある
提供している商材を購入(利用)する顧客についても明確にしなければなりません。顧客は何の課題があってその商材を求めているのか、もしくは商材を購入することでどのような未来を期待しているのか、顧客が商材を購入する理由を具体的に把握する必要があります。
この顧客が求める理由によってホームページ上での訴求の内容や方法が変わってきますが、顧客理解ができていなければ、的外れな訴求をしてしまう可能性があることは想像できるのではないでしょうか?
実はこの顧客理解ですが、クライアント自身も明確に理解できていない場合もあります。顧客と接する最前線の営業担当などは、常に顧客と接しているため、当然ながら肌感覚では顧客が求めていることを理解していますが、実際に言語化しようとするとなかなかできなかったりするものです。
そのような場合は、実際に顧客にヒアリングする、営業担当を交えて顧客ニーズについて掘り起こすといったことを行います。このような過程で新しい顧客ニーズを発見することすらあり、この顧客理解は非常に重要なポイントであると当社では位置付けています。
クライアント企業の理念や行動指針、大切にしていることなどカルチャーを知る必要がある
当たり前ですが、理念や行動指針、文化やカルチャーが全て同じ企業なんて存在しません。企業ごとにそれぞれ特色があり、クライアントごとのそうした面も理解する必要があります。
ホームページにおいて最も重要なことは、顧客の課題を解決するコンテンツをどれだけ用意できるかです。コンテンツをしっかり用意した上でというのが前提ですが、どれだけクライアントごとに違う特色をホームページのデザインに反映できるかも重要です。
もちろん、コンテンツ自体でも他社との違いをどう見せるか試行錯誤しますが、デザインは他社との違いを出しやすい部分ではあります。だからといって、無闇矢鱈に違いを出せばいい、とは当社では考えていません。
文章、扱う言葉、写真やイラスト、色のタッチ、デザインの方向性など、ホームページ全体でいかにクライアントらしさを反映できるか、この「らしさ」を当社では大切にしています。
ここでは特に重要と考えている3点について解説しましたが、ぶっちゃけて言えば、深く理解しなくてもホームページを作成すること自体は可能です。しかし、ホームページで成果をだしたいと考えているようでしたら、必須要件として捉えるべきです。
Web制作会社はホームページ制作のプロであり、全ての業界に精通しているわけではない
先ほども少し触れましたが、競合他社のホームページを調査すれば、商材の特長やその商材を利用するであろう顧客、また顧客が求めていることなど、ネット上でも一定の情報は取得できるでしょう。しかしそのようにして寄せ集めた情報で作成されたコンテンツは、あなたの会社の商材を求めている顧客が満足するものとなるでしょうか?おそらく顧客が求めるコンテンツにはならないでしょう。
顧客の役に立つコンテンツを用意するためには、実際に日々顧客と向き合っているクライアントと膝を付き合わせ、一緒に考えまとめていくプロセスが欠かせません。
当社に限った話でないですが、Web制作会社はホームページを作るプロではありますが、あなたの業界に精通してい訳ではありません。そのため、一から調査して勉強して把握するプロセスがどうしても必要となります。
ここまでの説明で、協力しないことは巡り巡って自社にとってデメリットになることがご理解いただけるのではないでしょうか。丸投げで「あとはWeb制作会社の方にお任せね」という姿勢の場合、Web制作会社があなたの会社の強みを適切に訴求することはほぼ不可能に近いでしょう。つまり、ホームページは完成しても、「成果を出す」ということについての可能性は限りなく低いと言わざるを得ません。
経験則からも一緒に作る姿勢を持たないクライアントのホームページは失敗する傾向がある
あくまでも経験則としての肌感覚でしかないですが、一緒に作る姿勢がなく、「面倒だから全てお任せするから後はいいの作って」といったことを言ってくるクライアントのホームページ制作で手応えがあるホームページを作ることができた記憶がありません。
2019年に当社を立ち上げてからは、当社のホームページに「このようなお客さまと繋がりたい」のページを用意したり、ブログなどでも一緒に作ることが重要、といったニュアンスの発信をしているからか、上記のような企業からお問い合わせをいただくこと、ましては契約してプロジェクトがスタートしたことがないため最近はわかりませんが、当社を立ち上げる前の会社では上記のような姿勢のクライアントと何回か仕事したことがあります。
結果は?というと…今思い返してもいずれもほぼ失敗しています。ひどい時は途中で揉めてしまう、なんてこともありました。当時は成果を出すためのホームページを作りについての理解、ノウハウ、また作るためにはクライアントから何を引き出す必要があるか?など、全体的なスキル不足の面があったのも事実です。
しかし、それだけが失敗の要因ではなく、クライアント側にも要因があったと考えています。あくまでも私(砂子)が関わってきたプロジェクトの話であり、丸投げが絶対に失敗すると言いきれる訳ではありませんが、一つの参考意見として捉えていただければと思います。
まとめ
丸投げしたいという気持ちがある方も、丸投げすることの危険性について、このブログを読む前よりも理解が深まったのではないでしょうか。当社としては丸投げすることはおすすめすることはありませんし、当社がそのような姿勢のクライアントの支援を行うことはありませんが、もし丸投げするにしてもリスクを理解した上でご判断いただければと思っています。
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