ホームページ制作の料金表ってなぜ分かりづらいのか?
以前、「ホームページの制作費用はどのくらいかかる? | より正確な費用を出すためのポイントを解説」という記事で、これから作ろうとしているホームページの内容がわからない状態では費用をお伝えすることが難しいということを書きましたが、仮にお客さまの方でホームページの構成はこんな感じ、全体のページ数はこのくらい。さらにレスポンシブデザインでスマホ対応させて、このコンテンツを更新したいからCMSをこのコンテンツとこのコンテンツに導入してなどと、かなり準備できているとします。
気になるWeb制作会社のホームページには料金表も掲載されているから、ある程度の費用が分かるだろうと思っていても、実際に確認してみると「いま一つ分からない」といったことが起こり得ます。
それはなぜか?
あくまでも私たちの目線でということになりますが、料金表があってもなぜ全体の費用を出すのが簡単ではないかということについて、今日はまとめてみたいと思います。
[ 目次 ]
ホームページ制作の料金表の項目がWeb制作会社によって違う
例えば当社では「サイト基本構築費」と掲載している項目。これはスマートフォンにも対応したホームページの基礎となるトップページと下層ページ1ページの制作を指していますが、Web制作会社さんによっては、「html・css構築費」という項目になっていたり、そもそもそのような項目はなく、「トップページコーディング」「下層ページコーディング」と分けて掲載されている制作会社さんもあります。
さらに「トップページコーディング」「下層ページコーディングと」分かれている場合、ある会社さんでは「トップページコーディング」「下層ページコーディング」はPCページのみのことを指していて、スマートフォンにも対応したレスポンシブ化は20万円〜と掲載されている会社さんもあります。
この場合、「トップページコーディング」「下層ページコーディング」をスマートフォン対応した場合は、いくらになるんだろう?とWeb制作会社である私たちでも確認しなければわからないといった状況がおきます。
逆に当社のホームページの料金表はスマートフォン対応したレスポンシブデザインでの表示なので、PCのみのデザインはいくらなんだろうと思う方もいらっしゃると思います。かといってPCのみ、スマホのみ、スマホ対応したレスポンシブデザインの場合などと記載してしまうと、逆に項目が多すぎることで混乱をまねいてしまう懸念があることから、当社ではあえて現在の主流であるレスポンシブデザインのみの価格表示としています。
このように、Web制作会社ことに項目名が違ったり、そもそもある項目がWeb制作会社さんによってあったりなかったりといったことが、分かりづらい要因になっているのではないかと思います。
ホームページ制作費用の項目がそもそもわからない
先程触れた「サイト基本構築費」や「html・css構築費」といったものは、価格と一緒に説明があっても非常に分かりづらいものだと思います。また、Web制作会社さんによっては「サイト制作基本料金」という項目は、制作自体を指しているのではなく、基本マーケティング・サイト設計などの制作前の段階を指している会社さんもあります。
一方、「ディレクション費」「制作進行費」といった項目もよく見かけますが、これらも混乱させるものの一つではないでしょうか。そもそもディレクションって何?進行管理って何をするの?と内容が分かりづらいことに加え、ディレクション費の内容の一つとして進行管理を含んでいるというWeb制作会社さんもあったり、当社のようにディレクション費という項目はないなど、Web制作会社さんによって捉え方が違うこともさらにお客さまを混乱させる要因になっていると思います。
デザインは何ページお願いすればよいかが判断できない
ホームページの料金表の中でも、まだデザインについては分かりやすい部類に入ると感じていますが、そのデザイン費でさえもトータルで考えると分かりづらいものではないかと思っています。
例えば20ページのホームページを作るにあたって全てのページのデザインを依頼すると、デザイン費だけでかなりの費用がかかってきます。あくまでも当社の例ではありますが、トップページと下層ページの主要となるページのみデザインをし、残りのページはデザインしたページを基にある程度当社にお任せいただきながら制作を進める形がほとんどです。
それでもお客さまによって、トップページはPCとスマホをデザインし、下層ページはPCのみデザインするなど変わってきます。そのようなことから、全部で何ページ分のデザインをするかといったことは一概に言えない状況です。
どのページをデザインしていくかは打ち合わせを進めていく中で決めていきますが、ホームページ制作を検討段階のご担当者さまがご自身でどのページのデザインが必要だと判断するのは難しいと思っています。
そのため、料金表でデザイン費が分かりやすく細かく掲載されていたとしても、何ページデザインする必要があるかわからない。つまりデザイン費すらトータルではいくらぐらいになるか、わからないといったことが起こり得ます。
プランがあってもプランごとに異なる料金の内訳がわからない
Web制作会社側からすると結局料金表を作成しても、お客さまにとって分かりづらいだけと考えているところが少なくないと思っています。その現れとして、料金表ではなく、おおよその目安となるプランとして掲載しているWeb制作会社さんも多いです。
目安として料金を把握するものとしては非常によいものだと思いますが、
例えば、
Aプラン:30万円
オリジナルデザイン、10ページ、お問い合わせフォーム有り
Bプラン:60万円
オリジナルデザイン、30ページ、お問い合わせフォーム有り、お知らせ更新システムあり
というプランがあった場合、AプランとBプランの30万円の差の内訳がわからないため、Aプランの内容で良いのだけど、ページが20ページの場合はいくらなんだろうといったことが発生します。
このプランの見せ方は分かりやすいものではありますが、これでも完璧ではありません。
まとめ
色々、書いてきましたがテンプレートではなくオリジナルのホームページを作る以上、ご担当者さまがご自分で費用を調べることに対して完全なものを用意することは難しいというのが実情です。
Web制作会社のホームページに記載してあるものは、あくまでもおおよその目安として捉えることが重要です。費用をある程度正確に把握するためには、実際にWeb制作へ内容を伝え見積もりを出してもらうのが一番確実です。
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