ホームページ作成時に用意するコンテンツは、いつ、どのくらいのボリュームで準備すれば良いか?
ホームページを新規制作する、もしくは既存サイトをフルリニューアルしてコンテンツ(文章や写真、図など)の中身を大幅に作り替える場合、文章はいつ、どのくらいのボリュームで準備すればいいの?という疑問をお持ちの方も少なくないと思います。実際に当社でもこの疑問をクライアントのご担当者さんから受けているので、それなりの方が疑問を持たれていると推測しています。
この記事ではホームページ制作におけるコンテンツについて、どのくらいのボリュームで用意すべきか、その目安についてお客さま側・Web制作会社側の両方の立場を踏まえながら解説していきます。
[ 目次 ]
この記事の前提
まず前提として、そもそもコンテンツとは文章、写真やイラスト、図や表などを指しますが、この記事ではコンテンツの中でも核となる主に文章のことを中心に書き進めていきます。また、今回の記事はあくまでも当社の進め方に沿ってお伝えしておりますが、Web制作会社によって考え方や進め方は異なってきますので、あくまでも一つの参考としていただき、実際にプロジェクトが進むことになった際は依頼するWeb制作会社へ直接ご確認いただければと思います。
ホームページ制作時に用意するコンテンツのボリューム・時期については、大きく2パターンにわかれる
ホームページで使用するコンテンツの内容に関して、クライアントは2つ状態に分かれます。1つは何をどう用意すればよいか分からずほぼ何も用意していない、もう1つはある程度既に自社で用意している(実際に用意できてなくても考えとして固まっている)クライアントに分かれます。
かなりざっくりな分け方ですが、クライアントの状態によってお伝えする内容も変わってきますので、それぞれ分けて解説していきます。ちなみに当社で作成する場合、過去のケースでは「何をどう用意すればよいか分からなくてほぼ何も用意していない」も多かったので、何も用意していないからダメだということではありませんので、その点はご安心ください。
コンテンツの用意がなく、これから作る場合
コンテンツのボリュームについて
Web制作の工程としてデザインの前にワイヤーフレームというものを作成します。ワイヤーフレームというものはデザイン制作に入る前のページ構成のたたきとなる重要なものですですが、基本的には色も写真も入っていない状態なので、初めて見る方にとってはピンと来ないかもしれません(ワイヤーフレームの時点でイメージ写真を差し込んだり、色をつけたりよりデザインイメージが湧くようかなり作り込むWeb制作会社もあります)。
そもそもワイヤーフレームとは何?と疑問に思う方もいると思いますので、過去のプロジェクトで作成したワイヤーフレームと、ワイヤーフレームをもとに実際にデザインした双方のデータをお見せします。
左がワイヤーフレームで、右がワイヤーフレームをもとにしてデザイナーが制作したデザインデータです。
ワイヤーフレームは色も写真も入っていないので味気ないものですが、このワイヤーフレームをもとにデザイナーがデザインしたデータは命が吹き込まれたように全く別物になります。ここでよく見ていただきたいのですが、画像や色が差し込まれ全体的に華やかになり見た目の印象が全く違うものに変わりますが、構成はほとんど同じです。
ワイヤーフレームはページレイアウトのたたき台となるものです。文章だけでなく強調する箇所は箇条書きや枠で囲ったり、画像や図を差し込むことでリズム感を持たせたり、単に文章を並べるだけではなく、閲覧しているユーザーの視点に立ち作成を進めていきます。
具体的にはページでの優先度の高い情報はなにか?つまりどのような順番でコンテンツを配置すべきか?またどうやったら必要な情報を楽に手に入れることができるか?心地よく読み進めていただくためにはどうすべきか?などを考えながら作成します。
この工程を経ることで各ページのレイアウトが決まってきます。そして各ページ内のどこに、どの程度のボリュームで、どのような内容の文章が必要になるか判断できるようになります。逆にいうとこれが決まってこないと必要な文章のボリュームは見えてきません。ということから、文章のボリュームについては、ワイヤーフレームができあがった際にようやく見えてくるものとなります。
当社の場合はワイヤーフレームが完成するのは、トップページはプロジェクト開始から1ヶ月ほど、主要な下層ページ(トップページ以外のページのことを指します)のワイヤーフレームはさらに半月後くらいが目安となります。
用意する時期
ワイヤーフレームを作成する前に、サイトマップというものを確定させます。ホームページ全体でどのようなコンテンツを用意すべきか、それによって何のページが必要か、全体としてそれぞれのページをどのように構成していくか、順にアプトプットしていきます。
そしてホームページの構成を見える化したものが、サイトマップです。Web制作会社によってはサイトツリーやサイトストラクチャーと呼んだりしますが、基本的にはどれも意味合いは同じです。
サイトマップについて詳しく知りたい方は…
「ホームページにおけるサイト構成の考え方」ではサイト構成のことを中心に解説していますが、サイトマップについても詳しく説明していますので、あわせてご覧ください。
このサイトマップは設計フェーズで決めていきますが、当社の場合はプロジェクトがスタートして1ヶ月くらい経った時にほぼ完成形となります。
また先述しましたように、サイトマップが完成しても結局ワイヤーフレームを作成しなければボリュームが見えませんので、文章を作成し始めるのはワイヤーフレームが出来上がってからとなります。
ワイヤーフレーム作成後はデザイン制作、コーディング(ページ制作)、CMS・フォーム構築、テストサイトでの確認・修正対応などがあります。ホームページのボリュームなどによって変わりますが、サイトマップが決まってから公開まで3ヶ月前後ありますので、その間に用意して仕上げていくことになります。
ただし、作成した文章を当社の方でリライトする場合もありますので、公開前ギリギリにご用意いただくのではなく、ワイヤーフレームが決まったらできるだけ早く準備のスタートをしていただくようお願いしています。
もし「こんなページが欲しい」「こんな内容を伝えたい」というものがプロジェクト開始前(開始後でももちろんかまいません)あれば、掲載するための本格的な文章でなくても良いので、文章を用意しておくと良いでしょう。
ワイヤーフレームができなければ結局ボリュームがわかりませんので、実際に用意していただくのは1ヶ月半くらいを目安に考えていただければ良いかと思います。
コンテンツを既に自社で用意している場合
文章のボリュームについて
プロジェクト開始前後で既にホームページに掲載したいコンテンツイメージがあり、文章も作成しているものがあれば、ぜひ早めに共有いただければと思います。基本的にはコンテンツが用意されていない場合と手順としては同じですが、いただいた内容を中心にしながら、各ページのレイアウト構成、サイト全体のページ構成を考えワイヤーフレームに落とし込んでいきます。
用意する時期
自社のタイミングでいつでも用意を開始して良いでしょう。Web制作会社に正式に発注する前でも構いませんし、発注後すぐに用意するなどでも構いません。
あえていうなら、文章の提出が遅れることによってスケジュールがずれることだけ注意すればそれで良いと思います。
文章を用意する時の注意点
各ページ、各ブロックごとの把握ができるように用意する
用意した文章がどのページの内容か、Web制作会社が理解できるよう明確にすることが重要です。また、各ページのどの部分の文章なのかも分かるようにすること、また見出しと文章が明確に区別できるようにすることも意識すると良いでしょう。具体的には、見出しはフォントサイズを大きくして太字にするなどです。
手書きではなく必ずデータで用意する
用意した文章をWeb制作会社がコピー&ペーストすれば良い状態、つまりデータで用意することが重要です。これはミスを極力防ぐことにも大きく影響します。手書きで用意した文章は、Web制作会社側でいちから手入力しなければならず、ミスが発生する原因の一つとなり得ます。
またWeb制作会社側からすると、入力する分の工数が増えますので、基本的に費用が余計にかかると理解しておいた方がよいでしょう。無駄な費用をかけない、ミスの発生を極力小さくするためにも、データでご用意いただくことをお勧めします。
WordやGoogleドキュメント、メモ帳など、基本的にデータであればよく、その手段はクライアントのご担当者さんの都合が良い方法で構わないと当社では考えていますが、念のためWeb制作会社に確認していただければと思います。
まとめ
自社でコンテンツを用意できる会社は、既存のホームページがありフルリニューアルする場合(といっても新しくコンテンツを追加したり、既存のコンテンツの加筆・修正などは発生します)や、ご担当者さんが過去にホームページ作成の経験を持っているなど、ホームページの制作が初めてではないケースがほとんどです。
初めてであれば何をどのように進めるかよくわからないのが当然だと思いますし、全く用意できていないケースも特別なことではありませんので、その点は心配不要です。ただし、コンテンツを作っていくのは労力を必要とします。もちろんどのような内容が必要か、どの程度のボリュームが必要かなど、当社では一緒に考えてサポートしていきますし、費用は別途発生しますが当社の方で作成することも可能ですのでご安心ください。
冒頭でもお伝えしましたように、今回お伝えしたのはあくまでも当社の進め方になります。Web制作会社によって進め方は異なると思いますので、気になる場合はご依頼のWeb制作会社にご確認ください。
「日々の仕事」ブログでは、ホームページ制作の現場において実際の出来事や気づきなどのお役立ち情報を発信していますので、ぜひ他の「日々の仕事」も合わせてご覧ください。
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