ホームページへの流入経路はどのようなものがある? | 流入を増やす方法、増やす際の注意点も合わせて解説
ユーザーにどうホームページに流入してもらうか?を考えることは、どのようなホームページを作るか?と同じくらい重要なことです。これは新規でホームページを作る場合はもちろん、既存サイトのフルリニューアルの場合も同じです。
特に新しくホームページを制作する場合においては、何もせずに公開してすぐにバンバン集客できることはほぼないため、制作前にどのようにしてホームページへの流入について考えることは必須です。
仮に注力した流入施策の結果が思うように行かなくても、ホームページへの流入経路はどのようなものがあるのか把握しておけば、別の流入施策に切り替えることができます。公開したらどんどん人が集まってホームページを見てくれると思い込み、流入のことを何も考えていなければ、公開し時が経ってから急に慌てふためくなんてことになりかねません。
この記事では、ホームページの運用を行っているが流入が増えず悩んでいる企業規模〜50名程度のWeb担当者に向けて、ホームページへの流入経路はどのようなものがあるのか、また流入を増やすための施策にはどのようなことがあるのか解説していきます。
[ 目次 ]
なぜホームページの流入経路を理解することが重要なのか?
何か気になることや分からないことがあった時、恐らく大多数の方はネット上で情報を検索すると思います。今は新型コロナウィルスが猛威を奮っているので、その情報を集めるためにあなたも既に何度もネット検索したのではないでしょうか。ホームページは検索結果においてより上位に表示させ、ユーザーに流入してもらう重要な役割があります。しかし、ホームページの役割はそれだけではありません。
XやFacebook、Instagramなどの各種SNSは、個人だけでなく企業も様々な情報を発信しています。SNSを通して認知した企業、商品やサービスがあった時、あなたはそのまま問い合わせしますでしょうか。単価が高い商品やサービスであればあるほど、気になる企業のコーポレートサイトや、商品やサービスを紹介するサービスサイトにアクセスするのではないでしょうか。
この行動パターンはオンラインだけではありません。例えば展示会などのオフラインの場でも同じことが言えます。単価が安い商品であればその場で購入することはあると思いますが、そうではない場合、資料をもらい直接説明を聞いたとしても、余程のことがない限りその場で購入することはせず、帰ってからホームページにアクセスし改めて情報を取得する、といった行動を取ります。BtoBであれば、ほぼこの流れになるでしょう。
このようにホームページは様々な流入経路の受け皿となる役割も担っています。そのため、まずは流入経路についてどのようなものがあるか、正確に理解することが重要なのです。同時に、自社としてどの流入経路に注力するかも考える必要があります。
ホームページの流入経路の種類
では実際にホームページの流入経路はどのようなものがあるか掘り下げていきます。ホームページの主な流入経路は次の5つです。
自然検索流入(Organic Search)
例えば「ホームページ 集客」など、何か調べたいことや気になった時にキーワードを入力して検索し、検索結果に並んだタイトルや文章を見て、欲しい情報が得られそうなホームページをクリックし訪問する経路のことです。オーガニック流入とも呼ばれます。普段からユーザー側として取っている行動だと思いますので理解しやすのではないでしょうか。
こちらは費用がかかるわけではないので、ホームページの運営側としては重視したい経路です。検索結果ページの上位に表示されれば多くのユーザーをホームページへ呼び込むことが可能になるからです。当然ながら、あなたの会社のホームページも上位表示させいと思うでしょうが、他社も考えていることは同じです。
上位表示させようと各社しのぎを削っているので、そうそう簡単に上位表示できるものではありません。上位表示にはユーザーにとって有益なコンテンツを作成・更新することが必須で、そのためにはホームページを運営するノウハウや労力が必要です。
有料広告からの流入(Paid Search)
自然検索のように、特定のキーワードを検索した際に検索結果画面の上部などに表示されるリスティング広告、Webサイトやアプリの広告枠に表示されるディスプレイ広告などから流入する経路のことです。ディスプレイ広告はバナーで表示されることが多いため、バナー広告とも呼ばれています。有料広告は費用の支払いを止めれば掲載も止まりますので、その分アクセス数も減少します。有料広告は常にお金がつきまといます。
SNSからの流入(Social)
Facebook、X、Instagram、LINE、YouTubeなどから流入する経路のことです。今後も新しいSNSがどんどん出てくる可能性があります。一方で、今は主流でも将来的には消えていくSNSも出てくるかもしれません。
SNSは企業だけでなく個人でも情報発信ができますので、企業アカウントとは別に各スタッフが個人アカウントを持ち、個々に有益な情報を発信することを通して企業としての認知を高め、ホームページへの流入に繋げている企業もあります。このようにSNSを上手く活用している企業は、集客面だけなく採用面でも成果を出しています。
外部サイトからの流入(Referral )
他のホームページに設置された自社へのリンクから流入する経路です。つまり自社のホームページを紹介してくれていると言えます。他のホームページに自社へのリンクを設置してもらうことを被リンクと言います。
被リンクは自社でコントロールすることは難しいですが、ぜひ紹介したいと思う価値ある情報提供と信頼を得ることで、被リンクを増やすことができます。
被リンクからの流入自体も大きな資産ですが、被リンクはGoogleの検索結果の重要な要素だとも言われています。多くのホームページから被リンクを獲得できれば、検索結果での上位表示にも好影響(より上位に表示されやすくなる)を与えると言われています。
直接流入(Direct)
検索エンジンや他のホームページを経由することなく、自社のホームページに直接流入する経路のことです。具体的には、お気に入り登録(ブックマーク)、メールやチャットツールなどに貼られたURL、名刺やチラシなどの印刷物に掲載されたURLを直接入力しての訪問などがこれにあたります。
自社のホームページの流入経路を正確に把握する
これらを踏まえ、もし既存サイトのフルリニューアルや部分的な改修を行うのであれば、自社のホームページではどの経路からの流入が多いのか、またどの経路からの流入がコンバージョンに寄与しているか、GA4などの分析ツールを使って把握することが必須です。
自社のビジネスに貢献している流入経路が把握できれば、社内のリソースをより効果的な流入経路に集中させることができます。もしかすると、自社が属する業界では反応が良いとされる流入経路は自社では数値が悪いため、今注力している流入施策を継続していこうといった判断が可能になります。
ホームページへの流入を増やすためには
高額な費用をかけ、他人から素敵だと評価されるようなホームページを作っても、公開後の運用を何もしなければ、流入が増えることはまずあり得ません。これは既存のホームページのリニューアルでも同じことが言えます。
リニューアルの場合、リニューアル直後は以前よりも滞在時間が伸びたり、平均ページビューが増加したりといったように、いくつかの指標では改善が見られることはありますが、運用を何もしなければ、ユーザーの流入が増えていくことはなく、逆に徐々に減っていくと思った方がいいでしょう。
ここからは、ホームページへの流入を増やすためにの施策について解説していきます。
コンテンツを充実させる
ユーザーにとって価値あるコンテンツにするには、ユーザーの課題や不安、疑問に応える内容を用意するだけでは不十分です。これは大前提であり、さらに独自性があるかどうかが重要になります。独自性があり、ユーザーの課題や不安を解決する十分な量の情報があるコンテンツを用意することです。
またページごとに検索キーワードを意識したページタイトル、各見出しになっているかのチェックも必要です。
特に重要となるサービスページを中心に上記のポイントを見直し、よりコンテンツを充実させると、ページ単体だけでなくホームページ全体としても評価が高まり、検索順位でも今までより上位表示させることが見込めます。
増加が期待できる流入経路
- 自然検索流入
- 直接流入
重要なコンテンツを定期的に更新する
定期的に更新するコンテンツとして、まず思い浮かぶのはブログではないでしょうか。ユーザーの疑問や不安など、知りたいことに対して回答を用意してあげると良いでしょう。中には「Q&Aページを用意しているから大丈夫」と思われる担当者さんもいるかもしれませんが、Q&Aページでは通常3〜4行くらいの最低限の回答になりがちです。そのためそれを補うようためにしっかりと肉付けをするイメージで書いていくと良いでしょう。
その他、実績(または事例)ページ、お客さまの声なども重要なページですので、随時更新していきましょう。ブログと違う点は実績ページは検討段階に入っているユーザーを呼び込むことができます。つまり自社にとっては非常に魅力的なユーザーということです。
ブログももちろんですが、実績やお客さまの声は、よりタイトルを意識することが重要です。具体的には「ニーズ」「サービス名」、地域性があれば「地名」の3つを入れることをおすすめします。
当社が実際にお手伝いした、遺品整理会社さまの実績ページのタイトルを例にあげると「東京都小平市にて認知症に伴う引っ越しのための生前整理・家財撤去のご依頼」となっています(クリックすると実際のページに遷移します)。
この例では、「東京都小平市(場所)」「認知症に伴う引っ越し(ニーズ)」「生前整理、家財撤去(サービス)」の3つが入っています。このようにすると、検討段階に入っているユーザーが実際に検索するポイントを抑えているため、流入はもちろん問い合わせも獲得できる可能性が高まるのでおすすめです。
増加が期待できる流入経路
- 自然検索流入
使いやすいホームページにする
例えば、あなたが何かサービスが気になり、その企業のホームページを訪問したとします。問い合わせ前に会社概要を確認しようとしたがボタンが見当たらない、また目的のページまでのクリック数が多い、といったように遷移しづらかったらどのような感情、行動を取るでしょうか?恐らくストレスを感じますし、すぐ離脱するのではないでしょうか?
こうなると、ユーザーの評価としては当然低くなります(実際にユーザーの声として評価をもらうのではなく、すぐ離脱するなどユーザーの行動を通しての評価という意味合いです)。また、表示されるまでに時間がかかるホームページも同様です。
ページ遷移に問題があれば導線設計の改修をしたり、表示速度に問題あれば表示速度を向上させるために画像のファイルサイズの最適化を行う、適切な施策を行いましょう。
増加が期待できる流入経路
- 自然検索流入
広告運用を見直す
広告はターゲットの細かな設定が可能ですので、自社のターゲットに沿っているかチェックし、場合によっては調整することが重要です。また無駄なクリックが発生していないか、問い合わせに繋がる重要なキーワードはどのようなものか、同じようにチェックし調整していく運用が重要です。これまでしっかり運用できていなかったのであれば、広告で成果を出すためには必須なので、運用について見直すましょう。
SNSの運用を見直す
自社のターゲットが多く滞在するSNSから運用していくことが基本です。SNSは費用をかけずに手軽に始められるのがメリットですが、しっかり運用しなければ効果を得ることが難しいのも現実としてあります。
もしリソースが足りないのであれば、まずはSNS以外の施策に注力することをおすすめします。
流入施策を行う前に社内のリソースを把握する
ホームページへの流入経路を把握し、流入を増やす方法が分かっても行動に移すことができなければ、当然ですが何も変わりません。そこで実際に施策を実行していく前に、社内のリソースについて把握しましょう。
通常、リソースが十分にあるなんてことはほぼありません。不足している中でどうやりくりしていくか、各企業工夫をしているのが現状です。
そのため、やりたいことが複数ある場合は、優先順位をつけて徐々に行うという考え方の方が上手く進むケースが多いです。同時に継続性を重視することも大切なポイントです。
「運用はここまでやれば大丈夫」というものでなく継続していく必要があり、継続を止めればその瞬間から早かれ遅かれユーザーからの評価を落としてしまうでしょう。結果として、Googleからの評価も落ちることになるでしょう。それは検索結果の順位が下がることを意味しています。
このような自体を避けるためにも、運用を継続していくことも重視しましょう。
ホームページへの流入を増やす施策を行う時の注意点
流入を増やすといっても、自社のターゲットとは異なるユーザーをいくら増やしても成果には結びつきませんので、注意が必要です。ホームページのゴールであるコンバージョンを増やすためには、確かに一定数の流入が必要であり、流入を増加させるための施策が重要です。
しかし、流入増だけを追いかけているうちに本来の目的を見失い、流入を増やすことが目的になってしまうケースが往々にして発生しますので、注意が必要です。流入増のためのさまざまな施策は、手段であり目的ではありません。成果に繋げるために、自社にとってのターゲットユーザーの流入を増やすことを常に頭に入れておきましょう。
実際のSNSのバズりを基にホームページの流入について解説した記事「SNSのバズりから学ぶホームページのアクセス数についての考え方」は、なぜターゲットユーザーの流入が大事なのか、ご理解いただきやすいと思いますので、ぜひ合わせてご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。Web担当者の方にとって、既存ホームページのどこを改善すればもっと問い合わせが増えるのか、常に頭を悩ませていると思います。もしくは、フルリニューアルの予定があり、次のホームページでは◯◯のページを追加しよう、xxの機能が欲しいなど、ホームページの構成や機能の改善案ばかりに目が行きがちだと思います。
それはそれで非常に重要なことではありますが、同時に流入経路について考え行動することで流入を増やし、結果としてコンバージョンにいかに結び付けていくか、という視点を忘れてはなりません。
この記事が何らかの気付きに繋がり、少しでもあなたの会社のホームページが、ビジネスに貢献するものになれば嬉しいです。
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