ホームページと流入の関係 | ホームページの新規作成やリニューアル時の注意点を解説
ホームページの新規作成や既存サイトのリニューアル、または改修を行う場合、どのようなホームページにすることがターゲットユーザに対して役に立つ良いサイトになるのか、そして結果的にお問い合わせなどのコンバージョン(目標)が増えるのか、当然考えることと思います。
しかし、コンバージョン達成には、ホームページ自体の良し悪しだけでなく流入にも大きな影響を受けることをまず理解する必要があります。ホームページと流入に関しては4つのパターンがあり、リニューアル前の自社のホームページの状況がどのパターンかを把握しなければなりません。
なぜならパターンを把握した上で制作や改修を進めないと、思うような効果を得られないからです。この記事では「お問い合わせが増えない」などホームページの効果を感じられないと悩んでいる経営者やWeb担当者の方に向け、効果を着実に出すためにパターンを把握し、適切な対応が取れるようにすることを目的としています。
[ 目次 ]
ホームページで結果を出すために大切な2つのポイント
ビジネスに貢献するような結果を出すホームページにするためには、大きく分けてポイントは2つあります。まず2つのポイントを解説していきます。
1.ホームページ自体の出来、良し悪し
当然ではありますが、ホームページ自体に問題があれば結果はでません。一例を上げると下記のようなものがその代表的なものになります。
- ホームページがあまりにも古く、ユーザに怪しげな印象を抱かせてしまう
- ホームページが全く更新されていない
- ホームページに掲載されている情報が古い
- スマートフォン対応していないため、スマートフォンでは使いづらくてストレスがかかる
- 情報が少なすぎて、購入したくてもその判断ができない
- デザイン性を重視してフォントを小さくした結果、ユーザーにとっては読みづらいホームページになっている
- サイト構成がめちゃくちゃで目的のページまでなかなか辿り着かない、探せない
もしこのようなホームページであれば、お問い合わせや提供サービスへのお申し込みといった結果を出すことが、難しくなることは容易に想像できるのではないかと思います。
2.ホームページへの流入施策
当たり前ですが、ホームページには何らかのきっかけがあってユーザを訪問するものです。サービスや企業のことを何も知らないのにホームページを訪れることはありません。というより、訪問しようがありません。
例えばですが、オフラインで言えば口コミや紹介、飛び込み営業、展示会、リアルセミナー、リアルイベント、業界紙への広告など、オンラインで言えば、自然検索、SNS、リファーラル、ネット広告、メディア掲載などが、ホームページ訪問のきっかっけになり得ます。
全ての施策を行うということではなく、自社は現在何の施策を行っているのか、自社のホームページにどのように流入しているか、俯瞰的に把握することがまず重要です。その上で、今後取り組めそうな施策、取り組んでいくべき施策は何かを決め、より流入の強化を図ることが重要です。
ホームページと流入に関する4つのパターンとは
お客さまごとにお問い合わせ、資料請求、セミナー申し込み、商品の購入など、 ホームページ上のコンバージョンは異なりますが、コンバージョンはホームページの要因だけでなく流入の影響も大いに受けます。ホームページと流入の関係は以下の4つのパターンに分類することができます。
①ホームページに問題あり、流入に問題あり
そもそもの情報量が少ない、目的のページになかなか遷移できない、デザインが古すぎて怪しげな印象を受けるなど、ホームページ自体に問題がある。さらにホームページを訪問するユーザ数が少なく流入にも問題がある。
②ホームページに問題あり、流入に問題なし
そもそもの情報量が少ない、目的のページになかなか遷移できない、デザインが古すぎて怪しげな印象を受けるなど、ホームページ自体に問題がある。しかし、ホームページを訪問するユーザ数は十分で流入には問題がない。
③ホームページに問題なし、流入に問題あり
ホームページはしっかり作り込まれていて問題がないが、ホームページを訪問するユーザ数が少なく流入に問題がある。
④ホームページに問題なし、流入に問題なし
ホームページはしっかり作り込まれていて問題がなく、かつホームページを訪問するユーザ数は十分で流入にも問題がない。
一番多いパターンは?
リニューアルや改修の相談を受ける企業で一番多いパターンは実は①のパターンです。肌感覚ではありますが95%以上の企業は流入にも問題を抱えています。また、ある程度の流入がある企業でさえ、流入はもう十分なんてことはなく、さらなる集客を強化したいと考えていることがほとんどです。
リニューアルで最も効果が現れるパターンは?
一方でリニューアルや改修で最も効果がでるのは②です。多くの経営者やWeb担当者の方は当然②のように成果がでることを期待しますが、実際には①のパターンが多く、流入にも問題を抱えているため、ホームページを新しくしても思うような結果を出すことができません。つまり、理想と現実の間に乖離が発生していることに気づかず「成果が期待通りに出ない」ということが往々にして起こり得ます。
自社のホームページはどの状況かを把握する?
このようなことから、リニューアルや改修を進めようとしている企業は、まず自社が現在どのパターンなのかを把握しておく必要があります。その上でホームページで効果を出すための戦略を考えていく必要が大切です。
ホームページと流入について、さらに例えを利用して理解を深めていただきたいと思います。
ホームページと流入をバケツと飲み水に例える
この例のコンバージョンは「バケツに飲み水をため、その飲み水を飲むことができる状態にすること」と設定します。
ホームページをバケツに例えると…
ホームページの新規作成
新しいバケツを用意することです。バケツがなければ水を貯めることができません。
既存サイトの改修、リニューアル
古くなって穴が空いたバケツを新しいバケツに取り替えたり、補修したりすることです。
注意点
いくら機能的で素敵なデザインのバケツを用意しても、当たり前ですが水がなければ飲むことができません。
流入施策を飲み水に例えると…
ホームページへの流入がない
バケツを置いただけで、水を引き込む努力を何もしていない状況と言えます。
ホームページへの流入があるがターゲットが違う
水は溜まりますが、飲み水ではないため結局喉を潤すことができません。
注意点
仮にホームページにユーザを多く集めたとしても、ターゲットとするユーザではないため自社のサービスや商品を購入することはありません。つまり結果を出すことができないことを意味しています。
結果を出すホームページとは…
水が貯まるバケツで、綺麗な水をためて初めて結果がでます。
このように文章にしてみると当たり前なのですが、水を貯めることができるバケツを用意し、飲める水を引き込み貯めることができて、はじめて水を飲むことができます。ここをしっかりと理解する必要があります。
ホームページと流入の関係を理解した上で制作する
バケツと飲み水の例えを理解していないと、余計なことに労力や費用をかけるといった本末転倒なことが起こり得ます。例えばバケツは十分水を貯められるようなものを用意できているにも関わらず、色を変えてより見た目を綺麗にした方が良いのではないか?プラスティックではなく金属にした方がより強度がでるのではないか?といったように、必要がない改修をやみくもに進め、本来不要な労力や費用をかけてしまうといったことです。
バケツの例を理解していれば、色を綺麗にしても、素材を金属にしても水を貯めること自体に変化がないことは理解いただけると思います。もちろんバケツの例と実際のホームページは全く同じではないですが、似たようなケースがホームページで起こり得ることを理解しておいて損はありません。
実際のホームページの具体例としては、本来は流入に問題があるにも関わらず、結果が出ないからといってさらなるホームページの改修を進めてしまう。「もっと見た目を華やかにした方がユーザの印象が良くなりお問い合わせが増えるのではないか?」と全体的にカラーを変更しようとか、そんなに情報量があるサイトでもないにも関わらず検索機能を充実させようなど、余計な改修を進めてしまうことがあります。
本来、結果を出すために必要な場所に予算を投下すべきですが、結果が左右されない無駄な場所に労力や時間、費用をかけてしまうといったことが実際に起こってしまいます。
ホームページだけでなく流入にも目を向けている企業は多くはありません。ここに落とし穴がありますので、私たちはそのようなことにもお客さまと一緒に目を向けていきたいと思っています。
まとめ
ホームページを新規作成またはリニューアルしようとする際、この記事の例でいえば「どれだけ素敵なバケツを用意するか?」ばかりに目がいきがちですが、同じように「どのようにバケツに水を集めるか?」について考えていかなければ、結果を出すホームページにはなりません。つまり、ホームページ自体の良し悪しと流入施策の両輪を考えていくことで、初めてビジネスに貢献するホームページへと変化を遂げます。
また「水を集める」つまり流入施策である集客の部分については、1度やればそれで万事OKということでなく、常に試行錯誤して「水を集め続ける」ことを考えなければなりません。作って終わりではなく、ぜひ試行錯誤して自社に合う流入施策の勝ちパターンを確立していただければと思います。この記事がビジネスに貢献するホームページへのきっかけになれば嬉しい限りです。
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