「ホームページを作ったら問い合わせが来る」は間違い
飲食店を出店することにして綺麗な店を構えていざオープン。でも思うようにお客さんが来ない。そんな時、ただずっと待つのではなくチラシを駅前で配ったり、何らか行動すると思うんです。
これはホームページも全く同じことが言えます。たまに「良いホームページを作ったら問い合わせが来る」と思い込んでいる人に出会いますが、それは間違いです。むしろそこからがスタートです。
もちろん、良いホームページを作り、正しく運用すれば、問い合わせは来るようになります。なので、先ほどの言葉を正確に言い直すと「良いホームページを作ったら、何もしなくても問い合わせが来る」は間違い、が正解です。
もし「良いホームページを作ったら、何もしなくても問い合わせが来る」と思ってこの記事に辿り着いた方がいるのであれば、正しい思考へと導きたいと思っています。最終的には、問い合わせが来るようにするには、具体的にどのようにすればよいかを理解し、実際に動き出せるようお手伝いしたいと思いながら書いています。
ここでいうホームページはフルリニューアルの場合も当てはまりますが、新規でホームページを作って公開することを前提として書き進めます。
[ 目次 ]
なぜ良いホームページを作っただけでは、問い合わせが来ないのか?
「良いものを作っても、知ってもらえなければ意味がない(売れない)」といった言葉は、一度は聞いたことがあると思います。この言葉は商品やサービスのことを指していることが多いですが、ホームページも当てはまります。
イメージしやすいように、まずはリアル店舗に置き換えてみます。例えばあなたは飲食店のオーナーです。人が多く集まる渋谷にお店を出すことができたのですが、お店の場所は繁華街の外れの7階建てビルの最上階の7階です。
味には自信があり、内装にも力を入れたきれいなお店です。しかし、もしお店を認知してもらう施策を何もせず、「味には自信があるしきれいなお店だから、きっとお客さんは来てくれるだろう」と集客は何もせず、お客さんが来るのをひたすら待つという姿勢でいた場合、どのようなことが待っていると思いますか?
恐らく、殆どの人はお店を認知できないでしょう。たまたまビルの前を通りかかった人がビルを見上げて看板を見つけ、認知したという偶然レベルでしか、人志されないはずです。これで多くのお客さまで賑わう繁盛店になると思いますか?
ホームページの存在を知らなければ、アクセスしようがない
前章の飲食店の例はホームページにも当てはまります。よくホームページは「24時間365日稼働する営業マン」と言われていますが、それはホームページが認知されて初めて期待できることです(実際には認知してもらうだけでは足りず、さらなる仕掛けが必要です)。
今や誰でもネットにアクセスする時代です。逆にネットを利用しない人は稀でしょう。それぐらいネット上には人が溢れかえっていますが、比例するようにホームページも無数に増え続けている状況だと思います。
だからこそ「ホームページを公開すれば問い合わせが来る」「売上があがる」といった認識は淡い期待でしかなく、ホームページを正しく運用し、まずは認知されることが必要です。
さらに良いサービスを提供し、それをわかりやすくホームページ上で表現するなど、興味を持ってもらわなければ、問い合わせや売上には繋がりません。
ちょっと余談ですが…ホームページはリアル店舗に置き換えると分かりやすい
ここまで飲食店という店舗の話しを例に出して伝えてきましたが、実はホームページに関する多くのことは、リアル店舗に置き換えることができます。
ホームページってよく分からない、なんとなく難しそうと感じる方も多いですが、リアル店舗に置き換えることさえできれば、理解するスピートが格段に進むと考えています。
そのため、当社としてはお客さまへの説明時には「リアル店舗では何のことか?」と置き換えることを意識したいですし、お客さま自身にもこの置き換えるクセをつける事をおすすめしていこうと考えています。
さて、話を戻しますが、またまた飲食店の例で話を進めたいと思います。もし初めて入ろうとするお店がぱっと見て、中華屋さんなのか、焼肉屋さんなのか、それともお寿司屋さんなのか、何屋さんかわからないお店があるとします。あなたは、そのお店に気軽に入れますか?
普通はお店の看板や暖簾を見ればすぐ分かりますし、外観でもある程度なんとなくは分かると思いますが、そのお店は看板がなく、暖簾はあるのですが、なぜか何屋か分からない。こんな状況です。
「お腹が空き過ぎていたら、そんなことは言ってられないから入る」というのはここではナシにしてくださいね。恐らく多くの方は入りづらいと感じるのではないでしょうか?少なくても私は躊躇してしまうと思います。
ホームページで言えば看板や暖簾は、トップページのメインビジュアルに配置されたコピー、お店の外観は見た目のデザイン、お店の前の食品サンプルが並んでいるショーウィンドウはサービス紹介ページに置き換えられます。
こういったコピーや必要なページが分かりづらければ、「この会社は何をやっているかよく分からないから、他のサイトに行こう」と離脱してしまいます。飲食店では席につき水が運ばれてくると出づらくなってしまいますが、ホームページはワンクリックで離脱できてしまいますからね。本当にすぐ離脱します。
また、お店での接客においてもリアル店舗での経験は活かすことができます。あなたも、アパレルショップなどを訪れた際、入店してすぐ商品説明をしてくるスタッフさんに鬱陶しさを感じた経験がありませんか?
自分がちょうど探していたイメージの服を見つけたなど、タイミングがドンピシャであればいいですが、「ほっといてくれ」と鬱陶しく感じる経験も一度や二度でないはずです。
このようなことは、ホームページでもあるあるです。訪問直後にポップアップが表示され、おすすめのサービスを紹介されたりするしたら鬱陶しいですよね。「まだ、お宅の会社のこと何もしらないから興味ないわ!」といったところでしょうか。
私の主観がかなり入りますが、リアル店舗では、いろんな商品をある程度見てから声をかけて欲しいものですし、ホームページでは、ある程度ページを閲覧してから表示して欲しいものではないかと思います。
こうして考えてみると、リアルの店舗とホームページは意外と接点がある、同じように考えることができる、と感じていただけるのではないでしょうか?
また、Web業界の用語などに関しても同じように置き換えられるので、一部を抜粋します。
- セッション=お客さまが来店してくれた回数
- 平均ページ時間=来店してくれたお客さまの店内の平均滞在時間
- ユーザあたりのセッション数=1人のお客さまが何回来店してくれたかの平均数
- Web広告施策=駅のホームに広告を出す、フリーペーパーに広告を出す、地域の住宅にチラシを配るなど
このようにお客さんの心理、用語や施策など、さまざまな場面でホームページはリアル店舗に置き換えることができます。
リアル店舗に置き換えることが理解できれば、あなたも普段お客さんとしてさまざまなお店を利用しているので、ユーザー側の心理状況もわかると思いますし、意識するといろいろな気づきを得ることができると思います。それをホームページの改善の土台としていけばいいのです。
すみません、かなり話が脱線しました。ホームページとリアル店舗の置き換えの話はこれくらいにしておきます。
知ってもらわなければ始まらない。じゃあどうすればいいの?
話を戻したはずですが、またまたリアル店舗の場合で考えていきます。まず、お店を認知してもらうには、どのようなことが考えられるでしょうか?(ホームページとの違いをよりわかりやすくするためにデジタル施策は省いています)
- 最寄り駅に広告を出す
- 近隣に折り込みチラシを配る
- 入居ビルの前に立て看板を出す
- 駅前でチラシを配る
- 入居ビル周辺でユニフォームを来て掃除する など
他にもやろうとすればいくらでもあると思いますが、新しくお店を出したら、もしくは思うように売上があがらなかったら、何かしら行動をすると思います。
ではホームページでは認知してもらうために何をすればいいの?
ようやくホームページを認知してもらう話に戻りました。ようやく、ここから具体的に何をしたら良いのか?をお伝えしたいのですが、その前にホームページへの流入の経路は、どのようなものがあるのかを確認していきます。
- 自然検索検索からの流入(キーワードで検索し、表示された検索結果をクリックして訪問)
- 有料広告からの流入
- SNSからの流入
- 外部サイトからの流入(他社・他人などの自社外のホームページからの訪問)
- ダイレクトでの流入(メルマガに貼ったURL、名刺やチラシなどの印刷物に掲載されたURLの直接入力、お気に入りからの訪問など)
より詳しくホームページの流入経路についうて書いている記事がありますので、詳しく知りたい方は、ぜひ下記のボタンをクリックしご覧ください。
先ほどホームページへの流入の経路をあげましたが、具体的な施策としては次のようなものがあります。
- ブログなどお役立ち情報を発信する(外部ブログではなく自社のホームページ内で運用することをおすすめします)
- 実績や事例、お客さまの声のコンテンツを作る
- SNSを使って情報発信、お客さまと交流する
- Googleマイビジネスを運用する
- 各種有料広告 など
他にもありますが、大まかには上記のようなことを基本施策として検討し、できることから取り組んでいくと良いでしょう。
結局はお金をかけるか時間をかけるか。楽して上手くいくことはない
ここまでお読みいただくとわかると思いますが、認知してもらうのに楽な道はありません。これはリアル店舗も同じでしょう。
今、問い合わせや売上をあげ成果を出しているホームページは最初から上手く言っていたわけではなく、多くは試行錯誤を繰り返しやるべきことを地道に続け、そして成果を徐々に出し始め今に至っています。
結局、大きく分けると時間をかけるか、広告を打ってお金をかけるかになります。世の中楽に稼げる魔法がないように何の労力をかけずにホームページを認知してもらい、問い合わせなど成果に繋がるようなホームページへと成長することはあり得ません。成果に繋がりやすいホームページを作ること、また公開してからも正しく運用すること。この2つがセットになって、初めて問い合わせなど、成果がでるホームページが出来上がります。
ぜひこの記事の内容を頭に留め、未来のお客さまになるであろうユーザにとって役に立つホームページへ育てていくことを一緒に目指しましょう。
まとめ
ホームページで成果を出すことは簡単ではありませんが、新しく作ったホームページを正しく運用すれば成果を出すことができます。
この記事が、少しでもホームページに対する考え方の参考になれば嬉しく思います。
「日々の仕事」ブログでは、ホームページ制作の現場において実際の出来事や気づきなどのお役立ち情報を発信していますので、ぜひ他の「日々の仕事」も合わせてご覧ください。
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