ホームページへの流入のきっかけをより詳しく知るためには? | お問い合わせフォームを工夫し有益な情報を取得しよう
自社サイトへのユーザーの流入経路については、Googleアナリティクスをはじめとする分析ツールを用いれば、自然検索で流入してきた、他サイトから遷移して流入してきた、広告経由で流入してきたなど、おおまかな流れは把握することができます。しかし、どのような悩みや課題があって行動に移したのか、その背景までは知ることはできません。背景を把握するには、一人ひとりヒアリングするしかありませんが、これは現実的ではありません。
そこで、お問い合わせなどのコンバージョンに至ったユーザーの背景や、きっかけを把握するため、当社ではお問い合わせや無料見積りなど、フォームの入力画面に流入にいたった経緯を知るための仕掛けを設置することを推奨しています。
これで全ての情報が取得できる訳ではありませんし、そもそも全てのユーザーが入力してくれる訳でもありませんが、入力してくれたユーザーの情報から自社では全く想定していなかったことなど、貴重な情報を得ることができます。
この記事では、企業規模〜50名程度のWebマーケターやWeb担当者、企業規模〜20名程度の経営者に向けて、ユーザーが自社サイトにどのように辿り着いたのか?またその背景は何か?より詳しく把握するための方法についてお伝えします。
[ 目次 ]
ホームページへの流入経路にはどのようなものがあるのか?
自然検索からの流入
例えば「ホームページ 集客」など、何か調べたいことや気になることをGoogleやYahoo!で検索し、検索結果一覧に表示された見出しをクリックし、ホームページを訪問する経路です。恐らく多くの方が、普段からユーザーとして取っている行動なので理解しやすいかと思います。
自然検索からの流入は費用がかかるわけではないので、運営側としては重視したい経路です。検索結果ページおいて上位に表示されれば多くのユーザーをホームページへ呼び込むことが可能になります。
しかし、他社も考えていることは同じです。上位表示させようと各社しのぎを削っているので、そうそう簡単に表示できるものではありません。上位表示にはユーザーにとって有益なコンテンツを発信することが必須で、そのための知識・ノウハウ、そして時間的労力をかける必要があります。
有料広告からの流入
自然検索のようにキーワードを検索した時に表示されるリスティング広告や、ポータルサイトやブログなどに表示されるディスプレイ広告、YouTubeなどの動画広告、FacebookやLINE、TwiiterなどのSNS広告などがあります。当然ですが広告費の支払いを止めれば掲載も止まりますので、有料広告は常に費用の支払いが発生します。
SNSからの流入
Facebook、Twitter、Instagram、LINE、YouTube、Tik Tokなど様々なものがあり、今後も新しいSNSが出てくる可能性があります。もしかしたら今は主流でも、将来的には消えていくSNSも出てくるかもしれません。
SNSは企業だけでなく個人でも情報発信ができますので、企業によっては企業アカウントは持たず各スタッフが個人アカウントを持ち、個々に有益な情報を発信することを通して企業としての認知を高め、ホームページへの集客につなげているケースもあります。
このようにSNSを上手く活用している企業はホームページへの集客だけなく、採用活動にも成功し採用コストを削減したり、新規問い合わせをSNSから直接獲得し、売上を増加させています。SNSは無料で取り組むことができますし、拡散という点でも優れているので使わない手はないと考えます。
外部サイトからの流入
他社(他者)のホームページに設置された自社へのリンクをクリックし、自社のホームページに訪問する経路です。
他のホームページに自社へのリンクを設置してもらうことを被リンクと言いますが、紹介する方も「この企業の情報は有益だから」「企業としての考え方が共感できるから」など、理由は様々ですが紹介したくなるような何らかの理由があるからリンクを設置してくれています。
自社でコントロールすることは難しいですが、ユーザが思わず紹介したいと思う価値ある情報提供と信頼を得ることで、被リンクを増やすことができます。
被リンクからの流入自体も大きな資産ですが、被リンクの数はGoogleの検索結果の重要な要素だとも言われており、多くのホームページから被リンクを獲得できれば検索結果での上位表示にも好影響を与えると言われています。
ダイレクトでの流入
てお気に入り登録していたURLから訪問した、メルマガに貼ったURLをクリックした、名刺やチラシなどの印刷物に掲載されたURLを直接入力した、社内で使用しているチャットワークなどに記載されたURLをクリックした、などがこのダイレクト流入にあたります。
より具体的にユーザーの流入のきっかけを把握するために、お問い合わせフォームに項目を追加する
この記事の冒頭でも書きましたが、当社ではお問い合わせフォームの入力画面に、ユーザーが流入にいたった経緯をより詳しく知るための仕掛けを設置することを推奨しています。文章より見た方が理解が早いと思いますので、実際に当社のお問い合わせフォームの下部に設置している該当部分のスクリーンショットを下記に添付します。
ここで気を付けるべき点を先にお伝えします。それは、この項目に回答することがユーザーの負担にならないよう配慮することです。「あれもこれも聞いて情報を集めたい」と欲を出すほど、ユーザーに負担を強いることになります。
せっかくフォームまで辿り着いてもらったのに、ユーザーが「面倒」「大変そう」と感じ、離脱してしまっては本末転倒です。ここは細心の注意を払い、必要最低限に抑えることがポイントです。
さて話を戻します。
先ほどの当社のお問い合わせフォームのスクリーンショットでは、それぞれ下記のような意図を持って設置しています。
スピンスレッドを知ったきっかけ
- 検索して偶然見つけた
- Facebookで知った
- Xで知った
- Instagramで知った
- 社員に教えてもらった
- 社外の人に教えてもらった
- 他サイトで紹介されていた
まず、どの経路で流入してきたか具体的に把握するために設置しています。この項目は必須にしていますが、一方で、簡単に答えられるよう選択式にしています。
こちらは、クライアントの事業内容によって項目は多少変わりますが、概ねこのような感じです。
スピンスレッドを知った時の状況について
検索の際に使用したキーワードや、自社を知った時の状況などについて、自由記述で記入いただくようにしています。その代わり入力の負荷が高いため、こちらは任意にしています。
このような2つの項目を追加するだけでも、分析ツールでは見えなかったものが見えてきて、新しい発見に繋がります。次の章からは、実際に新しい発見に繋がった事例をご紹介していきます。
ホームページへの流入について、具体的に把握することができた当社の事例
LED販売事業者からの問い合わせ
当社のホームページからお問い合わせがくる際は、「ホームページの更新や修正を新しいWeb制作会社へ依頼する時に気をつける7つのこと」のブログ記事がきっかけになることが多いのですが、LED販売事業者からのお問い合わせの時は「Web制作会社に対する不満 | 具体的な5つの不満を挙げてWeb制作会社の見極め方を解説」 がきっかけでした。
「知った時の状況について」に詳しく状況を入力いただきました。その内容としては、「Web制作会社に対する不満 | 具体的な5つの不満を挙げてWeb制作会社の見極め方を解説を読んで、制作側からこのような問題点を提起している業者さんは信用できると感銘を受け問い合わせに至った」ということでした。
既存のお付き合いあるWeb制作会社に不満があり、更新や修正を行なってくれる新しいWeb制作会社を探しているということが、お問い合わせ内容から読み取れたため、それを踏まえてその後の打ち合わせに臨むことができました。
ちなみにこちらの会社さんは、最初はサーバー移転に伴うサポートをさせていただいだけですが、その際の対応にご満足いただいたようで、その後ホームページの改修のご依頼をいただくなど、再度お仕事をご依頼いただく関係を築くことができています。
広告看板事業者からの問い合わせ
ホームページからの問い合わせが減り困っているということで、当社にご相談いただいた事例です。「知ったきっかけ」では「検索して偶然見つけた」を選択し「知った時の状況」には「問い合わせが増えるホームページ制作会社と検索しました」とご記入いただいていました。
実際に「問い合わせ 増える ホームページ」と検索すると、当社の「ホームページからの問い合わせを増やすための施策」の記事が6位(2023.12.26時点)に表示されていました。ちなみに「問い合わせ ホームページ」でも16位に表示されていました。
この時点まで、これらのキーワードで上位表示していることに当社自身も気づいていませんでした。このように、自社でも気づいていなかったことがユーザーの情報から気づくといった新しい発見に繋がることもあります。
ちなみに当社では、この発見をきっかけに「問い合わせ ホームページ」のキーワードでもさらに上位表示できるよう、関連ブログを作成しているところです。
ホームページへの流入について、具体的に把握することができた当社クライアントの事例
前章は当社自身の事例でしたが、この章では当社クライアントの事例もご紹介します。
非営利団体のクライアントの事例ですが、こちらのクライアントは情報発信を行うだけでなく、イベントを開催したり、呼ばれたら全国どこでも講演会やセミナーに登壇するなど、積極的に行動されています。
あるユーザーからお問い合わせをいただいた際、「知った時の状況」の欄に、この団体の代表の個人のFacebookがきっかけでイベントのことを知り、どのようにすればイベントに参加できるのか?というお問い合わせが入りました。
このお問い合わせの情報がなければ、イベント参加のきっかけが個人のFacebookだったとは絶対に知ることはできません。このお問い合わせがあったからこそ、個人のFacebookの投稿もしっかりと役割を果たしていることに気づきくことができました。
いかがでしょうか。少し工夫をすることで、通常のお問い合わせフォームでは絶対に知り得ない貴重な情報を取得することができます。また、情報を蓄積することでホームページへの流入のきっかけの傾向がはっきりと見えてくるかもしれません。
もし、そういった傾向が見えてくればチャンスです。なぜなら、より多くのユーザーにホームページを訪問してもらえる可能性を見つけたことと同じだからです。
もちろん全てのユーザーが詳しく入力してくれる訳ではありません。実際に「知ったきっけか」を選択しただけで、自由記述の「知った時の状況」に入力いただけるユーザーは多くはありません。肌感覚ですが、「知った時の状況」を入力してくれるのは2割から多くても3割くらいだと思います。
ただ、それでも非常に貴重な情報となりますので、設置しない手はないと当社では考えています。
お問い合わせフォームへの追加はどのようにすれば良いの?
専門知識が必要になってきますので、ホームページを作ってもらったWeb制作会社など専門家に依頼しましょう。
「実は…既存のWeb制作会社と関係性が悪く依頼しにくい」といった状況でしたら、当社までご連絡ください。
当社は「関係性が悪くなって、保守・管理や更新を別の業者に変更したい」といったお問い合わせを今まで多数いただいてきました。実際に当社へ乗り換えられた企業の事例も沢山あります。
Web制作会社と関係性が悪くなってしまった、という企業は実は非常に多いです。同じような悩みを抱えられている企業は、あなたの会社だけではありませんので、悩みを抱え込まず、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
当社の事例や、当社クライアントの事例を交えて説明してきましたが、取得できる情報は価値があると感じていただけましたでしょうか?もちろん、そこまで価値があるとは思わない、という方もいるかもしれません。
ただ、もし価値があると感じたのであれば、大掛かりな改修にはなりませんので、ぜひこの記事でご紹介したような項目を設置していただけたらと思います。そして、そこで得られた有益な情報を、ホームページの運用に活かしていただければと思います。
「日々の仕事」ブログでは、ホームページ制作の現場において実際の出来事や気づきなどのお役立ち情報を発信していますので、ぜひ他の「日々の仕事」も合わせてご覧ください。
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