当社のWebデザインに対する考え方
例えば、自社の業務内容を効率化するために、外部のWebサービスを利用することになったとします。その時、機能は別としてデザインの部分に絞って考えたとき「使いやすそう」とか「見やすい」とか、そのような点が判断基準になると思います。他の同じようなサービスでは見たことがないような最先端でカッコいいと感じるようなデザインかどうか、という部分はほとんど採用する材料にならないと思います。
一方、自社のホームページを作ろう、リニューアルしようとなると、とたんにカッコよさや目新しさやといった、他社との差別化を求めたくなることはないでしょうか。実際に現場で仕事をしているとそのようなクライアントさんは多いと、肌感覚ですが感じます。
しかし、ここで一旦立ち止まってほしいのです。逆の立場(ホームページを訪問するユーザ)で冷静に振り返って見てほしいのですが、ホームページを訪問した際、カッコよさや綺麗さなどの見た目の部分はあまり気にせず、自分が欲している情報まで辿り着きやすいか?求めている価値ある情報がそもそもちゃんとあるか?そういうことを求めているのではないでしょうか?
多くの場合、何かしらの課題があり課題を解決するために情報を求め、ホームページを訪問しているはずです。だからこそ、見た目の部分は重視しないはずです。このことを端的に示したWebマーケター・デザイナーの方のツイートを紹介します。
まさに言いたいことが集約されているツイートです。
そもそもデザインとは?
ウィキペディアではデザインについて下記のように書かれています。
「審美性を根源にもつ計画的行為の全般を指すものである。意匠。設計。創意工夫。」
出典:ウィキペディア
このように本来デザインとは外観の美しさといった見た目だけのことではなく、情報設計、配置等のレイアウトなども含みますが、この記事においてはデザインは見た目のカッコよさや綺麗さといった表面的な部分のことを指していることを前提として話を進めます。
冒頭にも書きましたが、例えば自社でよく使っているサービスなどに対しては、社内で使うもので社外に見せるわけでないし、そもそも自分たちしか使うものでないから見た目の綺麗さやカッコよさというのは求めないと思います。恐らく生産性をあげるための「分かりやすさ」や「使いやすさ」を重視するのではないかと思います。
これってホームページにおいても同じことが言えると当社では考えています。というのも、先述しましたがホームページを訪問するユーザは、何かしら情報を求めて(課題を持って)やってきているからです。そのためユーザにとって大事なのは自分が求める情報にいかに早く辿り着くか、ホームページは分かりやすいか、読みやすいかといったことであり、ホームページがカッコいいかどうかは実はほぼ気にしていないはずです。
とはいえ、同業界内の標準的なデザインを大きく下回るような見た目であれば、訪れた瞬間にユーザが不安を感じて即離脱してしまう可能性はありますので、そういった視点を踏まえると業界の平均くらいのデザインは目指すべきだとは思います。つまり、見ただけで不安を感じさせてしまうようなデザインは避けるべきです。
話を元に戻しますが、「求める情報にいかに早く辿り着くか、分かりやすいか、読みやすいか」という視点で考えると、多くのサイトで取り入れらているページ構成や、ボタンの配置、ページ名などは、差別化を求めて独自性を持たせるより、一般的でありきたりなものを取り入れた方が、ユーザにとってはストレスがない良いホームページに近づくということが言えます。
動きが激しく他社にはないようなアニメーションを使ったホームページや、最先端な印象を与えるようなデザインは「おっ!」とユーザの目を引くことはあるかもしれませんが、それだけで何かサービスや商品が売れるなんてことはありません。むしろ課題を解決するための情報を求めているユーザには鬱陶しく感じさせてしまう可能性が大と言えるでしょう。
例えばエンターテインメント業界などであれば、そもそも人をワクワクさせるのが仕事なので、ユーザはホームページにもワクワク感を求めている可能性が高いといえるでしょう。このように業界によっては、見ているだけで楽しいアニメーションを多く使用したものでも良いと考えます。
しかしながら、特にBtoBに関してはユーザは何かしら課題があり、その課題を解決するための情報を求めてやってきます。その時に一番欲しいのは解決に繋がる情報でありデザインの良し悪しではないはずです。
このような書き方をするとデザインは適当でも構わないと捉えられかねませんが、決してデザインを軽視するということではありません。見た目の部分以上に大事なものがあり、見た目を優先したがために、本来重要な使いやすさなどが損なわれるというのは本末転倒だとうことをお伝えしたいのです。
デザインには色や写真、アニメーションなど表層的な部分だけではなく、情報をどのようにグルーピングして見せると見やすいか、どのように余白をとると情報に目が止まりやすいか、情報を読みやすくするにはフォントサイズや行間はどのくらいが良いか、重要なボタンはどこに配置するとユーザがクリックしやすいか、このようなものもデザインの一部です。
このようなことを頭に入れておくと、ユーザの課題を解決するためには、そもそもどのような情報を用意すればよいか、その情報を読みやすくするにはどのような色を使い、写真はどの位置に入れたら良いのか、情報を引き立たせるためにはアニメーションは必要なのか?など視点が変わってくると思います。つまり見た目の部分に関しての優先度が変わってくるはずです。
最終的な目的はユーザの課題を解決することです。そのためのデザインであるという視点を持ち、お客さまと議論を深めビジネスに貢献するWebサイトを作る。当社ではこの意識をこれからも大事にしていきたいです。
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