企業のWeb担当者として見るべきWebデザインのポイント
ホームページを新規で立ち上げる、もしくはリニューアルする際、Webデザインに関して担当者として意識した方がよいポイントについて解説していきます。
これは既存のホームページの改善にも十分役立つ情報ですが、このブログでは新規立ち上げ・リニューアルなど、今から新たにホームページを作成するタイミングであることを前提に話を進めたいと思います。
[ 目次 ]
Webデザインの目的を考えてみる
カッコいいホームページを作って評価を得たい
「最先端の技術を駆使して自社のイメージを上げたい」「カッコいいホームページを作って評価を得たい」などいろいろあるでしょう。様々な目的がある中で当社が特に意識しているのが、ビジネスに貢献するものかどうかという1点です。
これはデザイン領域だけのことではなく、ホームページ全体の目的として定義しているものです。だからこそ、ホームページのいち要素であるWebデザインも、目的を達成するためのものかどうかの視点を大切にしています。
自社のホームページの目的とWebデザインの関係性を見直す
ホームページは最終的には売上につなげることが目的
ホームページ上における目的はクライアントごとに異なるものです。例えばお問い合わせをもらうことがゴールだったり、資料請求をもらうことがゴールの場合もあります。これらはお客さまの情報をいただき、メルマガ配信やDMの送付などにつなげ関係性を築いていきたいという企業側の思いが背景にあります。
その他、ECサイトであれば分かりやすく購入がゴールですし、セミナーなどを主催している企業やコンサルタントであれば申し込みがゴールになります。場合によっては認知を取るために、まずは多くの人にホームページを見てもらい印象を残すといった数値化しにくいものがゴールの場合もあるかもしれません。
しかし、いずれにせよ、これらはほぼ例外なく最終的に会社としての売上、もっと正確にいえば利益につなげることが目的のはずです。利益をあげていくためにホームページをどうやって活用するか。一歩引いて冷静に考えると、この視点が非常に重要になることはご理解いただけるかと思います。
ホームページの目的達成のためのWebデザインとは
当社が大事にしている点は、ユーザの心理状況、行動予測などを踏まえ、訪問したユーザに取って欲しい行動を前提に設計したデザインです。単なる自社が与えたいイメージのみが先行したデザインは企業都合の自己満足なデザインと言わざるを得ません。
もちろん自社が伝えたいイメージは大事ですし否定することはしませんが、先述したユーザの心理状況、行動予測、取って欲しい行動を前提にした上でのヴィジュアル的なデザインを考えていかなければ、お問い合わせや資料請求などの目的を達成するデザインにはならないでしょう。
ビジネスに貢献するWebデザインと貢献しないWebデザイン
ロジカルなWebデザインがビジネスに貢献する
デザインにおいて全てをロジカルに説明するというのは難しく、デザイナーの経験や知識を活用した部分もあるのは間違いありません。しかしながら、全てをデザイナーの感覚に頼るのは間違っていると私たちは考えています。
例えばページ上部にあるグローバルナビゲーションは訪問したユーザを適切に他ページへ導く重要なボタンです。確保できる面積の都合上、全てのページのボタンを置くことはできません。ここには全てのページの中から特にユーザにとって重要であり、運営側としても閲覧して欲しいページがボタンとして配置されます。スポーツで言うならば、主力メンバーです。この主力である重要なページへストレスなく遷移させる役割がグローバルナビゲーションにはあります。この役割を踏まえないと誤った判断をしてしまいます。
様々なホームページを意識して見てみるとグローバルナビゲーションは英字で表記されていたり、日本語で表記されていたりさまざまであることに気づきます。意図を明確にせず単に他社を参考にしている場合、自社サイトでは英字で表記すればよいのか、日本語で表記すればよいのかを迷うことになるでしょう。この時に考えるべきことは次のことです。目的達成の確率が高いのはどちらか?ということ。国内で事業を行っている企業では訪問するユーザの大多数は日本人。であれば、遷移先のページを認識しやすいのは日本語であるはず。ということから、この場合においては日本語を配置すべき、という答えが導き出せます。
ボタン一つとってもデザインには役割があり、単なるビジュアル的にカッコ良いからという視点で英字で表記するというのは目的達成の観点からすると、自ら目的達成から遠ざかっている行為だとも言えます。
このように考えるとご担当者さまやデザイナーのビジュアル視点の感覚に頼るのではなく、しっかり目的を意識した上で「じゃあ、デザインをどうすべきか」と考えていくのが正しい順序となります。
見た目重視のWebデザインはビジネスに貢献しない
特に採用サイトではこの傾向が高いと感じているのですが、トップページにアニメーションを多用して派手な動きで目を引きつける、場合によってはトップページ以外の下層ページでもアニメーションを多用しているホームページは見た目重視のWebデザインと言わざるを得ないでしょう。
採用サイトで言えば、訪れるユーザの多くは就活や転職活動に本腰を入れている方だと推測されます。余程知名度がある、もしくはSNSなどで情報発信を強化し企業としての認知を取れているなどの一部企業を除き、就活・転職ポータルサイトなどで情報を確認、その後気になった企業の採用サイトを訪れるといった流れになるはずです。
そのため、企業の採用サイトに訪問した時点では関心が高いユーザであることが考えられます。そういった方々はポータルサイトでは知ることができなかった、さらなる詳細な情報を求めてやってきます。このようなことを踏まえると、見せるべきものは派手なデザインではなく、社風や社内の雰囲気、具体的な仕事内容など、求職者が求めているコンテンツを見せることです。そして、これらのコンテンツへ辿り着きやすい設計にすること、コンテンツの邪魔をせず集中して読み込めるようなデザインが望ましいと当社では考えています。
ここでは採用サイトを例に取りましたが、コーポレートサイトやECサイトなど各サイトにも同様なことが当てはまります。各サイトごとに訪問するユーザが求めるものは違いますが、見た目重視のWebデザインとはユーザを置き去りにした運営側の自己満足によりビジネスに貢献しないもの、と当社では考えています。
今まで良いと思ったWebデザインを見直してみる
ホームページには優先順位がある
ホームページの制作工程の中で一番分かりやすいのはデザインだと思います。デザインという言葉は一般の方にも認知されていますし、何よりサイト構成やCMSといった部分はなかなか分かりづらい部分です。
デザインは目に見える部分ですし、人間で言えばファッションや髪型など見た目の部分であり、経験則から第一印象はその後に与える影響が大きいと身を持って理解していることも大きな要因だと考えています。このようなことからデザインに目が行きやすくこだわりたいお客さま心理を当社も理解しているつもりです。
しかし少し冷静に考えていただきたいのですが、人間関係で言えば本当に信頼できる人であるかを見極める際、第一印象は大事ではありますが決してそれだけで決めないはずです。
ファッションが素晴らしいから、髪型が今風でカッコいいからといった理由だけで、その後もずっと付き合っていくかどうかの判断としては、第一印象は最重要ではないはずです。価値観が似ているという感情は、長く付き合いたいと思う一要素となることはあるかもしれませんが、最優先事項ではない人が多いでしょう。恐らく多くの人は相手の人柄や言動などを通して最終判断していると思います。
これはWebデザインに置き換えても同じであるべきで、デザインよりもコンテンツの中身の方が重要、と当社がお伝えする理由です。このように書くと見た目のデザインは蔑ろにして良いのかと思われる方もいるかもしれませんが、決してそうではありません。もちろん良いデザインを求めることは重要なことは間違いありません。しかし、見た目の部分よりも重要度が高いコンテンツがあって、それらのコンテンツを踏まえた上でデザインを追い求めるという考え方、この順番が非常に重要だということです。
深く考えず、とくかく他社とは違う見た目にしてより目立つものにしたい、といった類のご要望には、当社はまずはこのような話をお伝えするようにしています。
参考サイトのWebデザインを見返してみる
自社のホームページを作るにあたり、もしかすると参考にしたいサイトとして同業種・異業種問わず様々なホームページを見てブックマークなどしているご担当者さんも少なくないと思います。
ぜひそういった参考サイトを手元に保存している場合、このブログで書いたことを踏まえて改めて見返してみるのも良いと思います。もしかするとまた違った印象を持つかもしれません。大事なのは一人のユーザとして実際にホームページを触って感じたことをメモするとよいでしょう。
実際のWebデザインの制作前後で見直すべき点をピックアップしてみる
制作前の打ち合わせ段階においてイメージ共有のために参考サイトを用意する際、見た目以外の良い部分もピックアップする
私自身も過去には見た目でホームページの良し悪しを判断していた人間ですし、世の中の多くのデザインおすすめポータルサイトはまさに見た目で掲載を判断しているように見受けられます。
そのようなことから最初は簡単ではないかもしれませんが、見た目のデザインではなく自分が他社のホームページを使っていて使いやすい、ありがたい、見やすいといった、何かしら良いなと思う部分を探しながら様々なホームページを見ることが、本質を見抜く目を養う第一歩です。
一部分だけでも良いのでピックアップする癖を日頃からつけておき、実際に制作のプロジェクトが動き出した際には制作前の打ち合わで制作会社さんと共有するのが良いと思います。
Webデザインが上がってきた際に、制作会社へ意図を確認してみる
制作前にWeb制作会社と十分に情報共有していれば理解できる部分も多いかもしれません。それでもデザインの意図の説明が制作会社さんからない場合は積極的に聞いてみましょう。
実際に目の前で打ち合わせしているWeb制作会社の担当者自身がデザインを行っていることは少ないでしょう。大概はディレクターや営業担当であることが多いからです。だからといって説明できなくていいという訳ではありません。全てを完璧に説明できることはないかもしれませんが、少なくても担当者自身がお客さまに提出するデザインに関しては語れる必要があります。
実はデザインの意図を把握するためだけでなく、このようなやり取りの部分からも担当やその企業の風土を見て取ることができますので、「聞いてよいのかな?」と消極的にならず、むしろ積極的に聞いてみるべきだと当社では考えています。
自社のホームページにおけるWebデザインを見直す
最後はリニューアルなどを考えていない企業のご担当者にも関係してくる内容をお伝えしこのブログを締めたいと思います。
Webデザインにおける改善できそうな点をピックアップ
今までお伝えしたことを踏まえて今一度自社のホームページを見直してみましょう。ユーザのためのデザインではなく、自社の自己満足なだけのデザインになっていないか、改善すべき点が見つかったら一つずつリストアップしていきましょう。
リストアップしたWebデザインの改善点の優先順位をつける
優先順位はユーザ行動に対して変化が大きそうな箇所、つまり閲覧数が多いトップページやお問い合わせフォーム、フォームに遷移する前によく見られるページなどからやるのが鉄則です。ほとんど閲覧されていないようなページの細かい部分をやっても数値に変化はありません。あくまでもユーザにとってメリットがあるか、またその変更したことでホームページの目標達成に近づくのか、この2点を意識しながら改善していくことが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。なかなかデザインをこのような視点で見ることは今までなかったのではないでしょうか。デザインありきではなく、あくまでも目的達成のための一つの手段という立ち位置でみていくことが何より重要です。
当社ではこのような視点を持ちホームページの制作を進めています。もし相談だけでもしてみたいと少しでもお考えがあれば、お問い合わせフォームまたはお電話(04-2000-816204-2000-8162)で遠慮なくお問い合わせくださいませ。
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