自社の業界の実績がないWeb制作会社への依頼についての考え方
ホームページを新規で作成、もしくは既存のホームページをフルリニューアルすることになり、良さそうなWeb制作会社を見つけたが、自社と同じ業界の実績が見当たらず不安。この記事に辿り着いたということは、こうした感情をお持ちではないでしょうか?
この記事では、企業規模〜50名程度のWebマーケターやWeb担当者、企業規模〜20名程度の経営者に向けて、当社の視点にはなりますが、自社の業界についての実績がないWeb制作会社に発注することについて、どのように考えるべきか解説していきます。
[ 目次 ]
自社の業界の実績がないWeb制作会社に依頼しても良いのか?
結論からお伝えしますと、問題ないと考えています。Web制作会社はホームページ制作のプロではありますが、クライアントの業界に精通している訳ではありません。Web制作会社のサービス提供範囲はほぼ全ての業界が当てはまります。この全ての業界について把握するのは不可能です。これはWeb制作会社だけでなく、税理士事務所なども同じことが言えますよね。
全ての業界において実績があるWeb制作会社など、恐らく存在しないでしょう。多くのWeb制作会社では過去に経験したことがない業界に属するクライアントのホームページ制作を受けることはザラです。もちろん、過去に同じ業界のホームページを制作したといったケースもありますが、業界未経験といったケースも多数あるものです。
自社が属する業界の実績があるWeb制作会社、もしくは業界専門のWeb制作会社の方が安心できるという気持ち自体は理解できますが、上記のようなことから、業界が未経験だから依頼はしない方が良い、という判断は早計だと考えます。
ここからは業界専門のWeb制作会社と、それ以外のWeb制作会社についてのそれぞれの違いについて解説していきたいと思います。
自社の業界に特化したWeb制作会社に依頼するメリット
業界知識を活かした提案が期待できる
自社の業界に特化した知識を持っているWeb制作会社であれば、あなたの会社の業務内容やターゲット層、また業界特有の専門用語や規制を理解していますので、業界としてのサイト構成、抑えるべき情報や機能など、効果的なホームページの提案をしてくれる可能性が高くなります。
少なくても、本来必要なはずのページや機能がなかったといったミスを防ぐことはできるでしょう。
成功事例を踏まえたホームページ制作が期待できる
同じ業界内での成功事例がある場合、その事例を踏まえて提案してくることでしょう。反対に失敗事例も共有してもらるのであれば、さらに良いでしょう。成功・失敗それぞれのポイントを抑えたホームページを作成できるからです。これは大きなメリットと言えるでしょう。
効率的なコミュニケーションが期待できる
業界の専門用語や業務プロセスを理解しているため、打ち合わせや要件定義がよりスムーズになります。Web制作会社側が前提となる知識を有しているため、説明の手間が省け、プロジェクトを迅速に進行させることが可能になります。
自社の業界に特化したWeb制作会社に依頼することがおすすめなケース
コミュニケーションコストを可能な限り抑えたい
自社の業界を把握し専門用語なども理解している前提で話を進めることができるため、説明ややり取りは最小限に抑えることができます。コミュニケーションの時間を可能限り短くしたいと考えている場合は、業界に特化したWeb制作会社に依頼する方が良いでしょう。
業界として必要なページや機能が一通り揃っていればそれで十分
新しく作るホームページは、業界として必要なページが揃っていれば良い。またユーザーが利用する機能や、自社で更新できる仕組みなど、各機能が一通り揃っていれば十分と考えている場合は、業界に特化しているWeb制作会社の方は既に把握できている状態のため、プロジェクトがよりスムーズに早く進むと思われます。このようなニーズを持っている場合は、業界に特化しているWeb制作会社の方が良いでしょう。
自社の業界の実績がない、もしくは少ないWeb制作会社に依頼するメリット
新しい視点から生み出されるアイデアが期待できる
前章でお伝えしたように業界専門業者の場合、重要ポイントを抑えている点はメリットです。一方、その知識・ノウハウに頼りすぎて、通り一辺倒で同じようなホームページになりやすいのがデメリットと言えます。その点、業界に精通していない場合は、業界の常識に縛られない柔軟な発想がしやすく、新しい視点のアイディアが生み出されることが期待できます。
そのアイディアを形にしコンテンツに落とし込めば、自然とそれが競合他社と異なる訴求になり、ホームページにおいての差別化に繋がります。
他業界での事例やノウハウを活かしたホームページ制作が期待できる
何らかの業界に特化していると、その業界での事例に縛られることになります。しかし、業界を絞り込まずさまざまな業界のホームページの制作を行なっているWeb制作会社は、他業界での成功事例やノウハウを有しています。
他業種の事例をそのまま転用したり、業界に合うように形を変えながらフィットさせるなど、多様な事例をうまく活用して制作することが期待できるのは大きなメリットです。
柔軟なアプローチが期待できる
特定の業界に特化しているWeb制作会社より、クライアントのニーズに対応してきた幅は多岐に渡ると言えるでしょう。その経験を活かし、クライアントのニーズに対してより柔軟な提案ができますし、幅広くニーズに応えられる可能性が高まります。
注意ポイント
過去に制作実績がない業界のホームページ制作を行う際は、その業界について深く調べることが必須になります。自社で調べることはもちろん、ヒアリングするなどしてクライアントに協力を得ることも必要となります。そのため、制作プロジェクトの過程においてそのようなプロセスがあるかどうか、確認するようにしましょう。
業界の経験がない、もしくは乏しいのにいきなりデザイン制作を始めるなど、実制作をスタートさせてしまうWeb制作会社は、感覚で制作を進めていることを自ら証明しているようなものですので注意が必要です。
自社の業界の実績がない、もしくは少ないWeb制作会社に依頼することがおすすめなケース
じっくりWeb制作会社と話あって業界の常識に縛られないホームページを作りたい
業界の常識に縛られず、Web制作会社と話し合いながらターゲットユーザーが求めるホームページを一緒に作り上げたいと考えている場合は、実績がなくても全く問題にならないのでおすすめです。もちろん、業界に特化しているWeb制作会社もターゲットユーザーの役に立つホームページを作ることを大切にしているはずですが、常識にしばられない柔軟性においては業界に特化していないWeb制作会社の方に分があると言えるでしょう。
業界の常識に縛られないとうことは、ホームページの作りとして自然と競合と差別化されやすくなります。競合とは違うホームページを作りたいという気持ち自体は否定しませんが、一番大切なことはターゲットユーザーの課題や悩み、不安を解決に導くことです。ホームページは自社のためでなく、ターゲットユーザーのために用意するものです。ターゲットユーザーが置き去りにならないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。冒頭にも書いたように、自社が属する業界の実績があるWeb制作会社、もしくは業界専門のWeb制作会社の方が安心できるという気持ち自体は理解できます。しかし、読み終わってみて必ずしも実績があるWeb制作会社である必要はない、といった気持ちも少しは出てきたのではないでしょうか。
もしあなたの会社がニッチな業界な場合、実績があるWeb制作会社を条件にしてしまうと、ホームページ制作の依頼する先がごく限られたものになることを意味します。
Web制作会社の見極めは必要ですが、ターゲットユーザーにとって役に立つホームページは、必ずしも業界に特化したWeb制作会社である必要はありません。この記事があなたの会社にとってのWeb制作会社選びの何らかの参考になれば嬉しいです。
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