Web制作会社から提案がないと不満を抱えている方へ | なぜ提案がないのか?その時に確認すべきことは何か?などを詳しく解説
Web制作会社から提案がないことが不満。このような不満を抱えているWeb担当者や経営者の方が一定数いると当社では考えています。なぜなら、当社自身「Web制作会社から提案がなく不満」といった相談を受けたことが実際に何度かあるからです。
また、あるWeb制作会社が行なった調査からも、Web制作会社との関係においてネックになっている点の1位が「指示(依頼)がないと動いてくれない」という結果が出ていて、Web制作会社からアクションがないことに不満を抱えていることも見て取れます。
引用:企業のWeb担当者のおよそ8割がWeb制作会社に要望があると回答!どんなことを求めている?
「Web制作会社から提案がなく不満」と相談を実際に受けて来たことから、上記の調査結果について当社は納得感があります。 通常、ホームページの制作時はWeb制作会社側からいろいろ提案をもらう場面が多く、今回取り上げるような不満を感じることは少ないと思われます。
では、どのような状況でこのような不満がでてくるか?というと、ホームページを公開し運用のステージに入ってからです。
そのようなことから、この記事ではホームページの運用ステージを前提とし、Web制作会社が提案しない理由は何か?そもそも提案は無料で受けられるものなのか?不満に対して今後どうすればよいか?など、Web担当者や経営者の方に向けて解説していきます。
[ 目次 ]
なぜWeb制作会社は提案してくれないのか?と考える前に確認すべきこと
冒頭でお伝えしたように「Web制作会社が提案してくれない」「こちらから指示しないと動かない」といった内容の不満を実際に相談を受けたり、耳にする機会が多くあります。
別記事「Web制作会社に対する不満 | 具体的な5つの不満を挙げてWeb制作会社の見極め方を解説」でも、「言ったことはやってくれるが、自ら提案を全くしてくれない」について触れているように、提案がないことに対する不満は何も特別なものではありませんし、不満を感じていること自体は事実でしょう。
それでもまずは冷静になって確認していただきたいことがあります。それは契約内容です。正式に契約書を交わしている場合だけなく、メールや口頭ベースでの取り決めなども含みます。Web制作会社にどのようことを依頼しているか、それをまずは確認する必要があります。
つまり、提案もしてもらえるような内容なのか?ということです。この後詳しく説明しますが、単にホームページの更新だけの契約の場合、前提としては提案は含まれていないため、提案がなくても致し方ない部分があると考えておく必要があるでしょう。
なぜWeb制作会社は提案しないのか?考えられる理由
そもそも提案をするような契約ではない
もし、ホームページの更新代行や、ホームページの保守・管理を依頼しているといった契約であれば、基本的には提案はないものと思った方が良いでしょう。そもそもそのような契約には、通常提案は含まれていないためです。
Web業界に限ったことではないですが、提案には時間・労力がかかりますし、それまで積み上げてきた経験やノウハウが含まれるものです。場合によってはWeb制作会社自身、ノウハウやスキルを身につけるために多くの時間や費用をかけて取得してきた可能性があります。
そのように考えれば、「提案してくれない」という不満は、一概にWeb制作会社側だけに問題があるとは言えないかもしれません。逆に、もしあなたやあなたの会社が提案は無料で受けられるものと思っているのであれば、それがそもそもの問題である可能性もあることをまずは理解する必要があります。
世の中には提案は当然無料で受けられるものと考え、何度も提案を求めてくるような強引な企業もいます。そういった企業は当然Web制作会社からは敬遠されるようになり、結果的に提案をもらえることはなくなるでしょう。
Web制作会社の考え方・姿勢
前の段落で「もしあなたやあなたの会社が提案は無料で受けられるものと思っているのであれば、それがそもそもの問題である可能性もあることをまずは理解する必要があります。」とお伝えしましたが、提案した内容を実行するのは有料だが、提案自体は無料で積極的に行うWeb制作会社もあります。そのように考えると、Web制作会社の考え方・姿勢によるとも言えます。
もっとも、契約外のことは一切やらない。場合によっては最低限のことだけしか対応せず、面倒なことは避けるカルチャーのWeb制作会社もあります。柔軟性を欠いた硬直的な組織は、クライアント側から見ると不満を抱きやすくなるのは、ある意味当然と言えるでしょう。
Web制作会社に知識・ノウハウがない
もしかしたらWeb制作会社に運用に関する知識・ノウハウがなく、そもそも提案ができないといったケースもゼロではありません。もし提案が欲しいのに、委託先のWeb制作会社には知識やノウハウがないと分かった場合は、他の会社を見つけ委託先を変更するしか方法はないでしょう。
このようにWeb制作会社の柔軟性に欠いた考え方や姿勢、そもそもの知識・ノウハウ不足、もしくは提案は無料で当然してもらえるものと考えているなど、Web制作会社に対するクライアントの理解・配慮不足などが、Web制作会社が提案しない要因となる可能性があることを、まずは理解することが重要だと私たちは考えています。
本当にWeb制作会社からの提案がないことが不満の原因なのか?
ここで1つ普段から感じていることを共有したいと思います。冒頭にご紹介した調査や当社が実際に受けた相談において、「提案がないこと」が不満の原因となることがよく挙げられることはお伝えした通りです。これと同じようなことは、知り合いのWeb制作会社からも聞かれることです。
もちろん、提案がないこと自体に不満を抱えているケースはあると思います、一方でそれが全てではないとも感じています。実は提案がないこと自体でなく、自社に寄り添う姿勢をWeb制作会社から感じられないことが不満の真の要因ではないか?ということです。
実は当社は次のような相談も実際に受けてきました。
- 何か相談すると「それはスコープ外です」といった返答ばかりで相談しづらい
- 面倒なことは避けようとする姿勢が透けてみえるなど、きちんと自社(クライアント側)に向き合おうとしない
- 自社(クライアント側)のことを理解しようとしない
実際にはこのようなことが積み重なり、不信感を抱き提案もないことから、結果的に最後の「提案がない」部分が不満としてクローズアップされているだけであり、不満の根幹は寄り添う姿勢が見えないことなのではないか?ということです。
提案をもらえる・もらえない以前に、不満を感じていることはないか、よくよく考えてみることも一つです。
当社スピンスレッドの場合の考え方
ここでは当社スピンスレッドの考え方について説明していきます。
当社では、クライアントが抱えるあらゆる課題を一緒に解決していくことを何より大切にしています。それにはクライアントに寄り添う姿勢を持つことが欠かせません。
このようなベースとなる使命があるため、例えば更新代行だけの依頼だったとしても、クライアントのホームページに携わっている中でプロ目線で気づいたことや、改善すべきと感じたことは、クライアントにお伝えするようにしています。
更新作業を行う際、あまり手間をかけずに一緒に対応できるような作業であれば更新費用内で対応しますし、難しければ丁寧に説明した上で別途費用がかかることをお伝えしています。もちろん結果的に提案した内容はやらないという判断になることは多々あります。それでも経験上「ちゃんと私たちのことを考えてくれているんだ」とクライアントには感じていただくことができ、信頼残高を増やすことができるので、私たちにとって無駄なことではありません。
クライアントに寄り添っていれば、自然と気づきや提案すべきことが出てくると私たちは考えています。そのようなことから「提案をしない企業=クライアントに寄り添うカルチャーがない企業」ではないか?と考えています。
提案した内容を実施するにあたり、工数がかかり有料でないと対応が難しい場合はそれを正々堂々と伝えれば良いだけですし、クライアントがやると判断すればWeb制作会社にとっては売り上げになります。それでも提案しないということは、自分たちの業務範囲外には一歩も外にでないといった硬直的な考えが根っこにあるのだと思います。
ただし、先ほど少し触れたように、Web制作会社に対するクライアントの理解・配慮不足が甚だしい場合、上記は当てはまりませんので、その点は頭に入れておきましょう。
私たちとしても、相手企業から「業者なんだから無料で提案してくれるのが当たり前」といったような自社のことしか考えていないカルチャーを感じた場合、依頼を受けても丁重にお断りさせていただきます。
ホームページ運用の委託先を変更するのも選択肢の一つ
ここまで読み進めていただいて、「自社の考え方を見直す必要があるかもしれない」と感じられたのであれば、Web制作会社との関係をこれから作り直していけば良いと思います。一方でどう考えてもWeb制作会社側がおかしいと感じるようであれば、委託先の変更を考えるべきだと思います。
まだ制作プロジェクトであれば数ヶ月の一定期間を我慢すればよいだけですが、公開後の運用面となると長い付き合いがこれから続くことになります。つまり、関係性を改善することができなければ、ずっとストレスを抱えることを意味します。
そのようなことから、委託先の変更については真剣に議論すべきですが、その場合は注意点もあります。依頼する内容によっては参考になる部分とならない部分があるかもしれませんが、もし変更する場合は別記事「ホームページの更新や修正を新しいWeb制作会社へ依頼する時に気をつける7つのこと」もご覧いただければと思います。
当社はホームページ運用の委託先変更を何度も経験してきました
当社では新たな委託先として、既存ホームページの運用面の依頼を実際にお受けした経験が多数あります。もし、この記事に共感いただける部分が多くあるようでしたら、新しい委託先を探す際には、お問い合わせフォーム、もしくはお電話(04-2000-8162)にてぜひ当社にご相談くださいませ。
委託先変更はWeb制作会社に相談しにくい、特にその理由については話づらいと思われている担当者や経営者の方がたまにいらっしゃいます。しかし、委託先変更はよくある話ですし、先ほどお伝えしましたように当社は過去に何度もそのような依頼を受けて来ましたので、どうぞ気兼ねなくご相談いただければと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
Web制作会社から提案がない理由、発注側として確認すべきこと、考えておくべきことなど、この記事を読む前より理解が進んだのではないでしょうか?
この記事があなたの会社のホームページ改善に、何かしらお役に立てたなら嬉しい限りです。
「日々の仕事」ブログでは、ホームページ制作の現場において実際の出来事や気づきなどのお役立ち情報を発信していますので、ぜひ他の「日々の仕事」も合わせてご覧ください。
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