ホームページで成果を出すために重要な顧客理解
ホームページで問い合わせや資料請求、セミナー申し込みなどのコンバージョンを増やすためには、顧客理解が必要不可欠です。顧客の悩みや課題は何か?その悩みや課題に対して何を提供し、どのように訴求していくかを深く思考しホームページへ反映させていくことが重要です。
この記事ではホームページで成果を出すために重要な顧客理解について解説していきたいと思います。
既存のホームページを改善していくことを前提に記事を書いていますが、これからフルリニューアルを行う、もしくは新規でホームページを立ち上げる状況の方は、実制作前の設計の部分でどう活用すべきか?と考えながら読み進めていただけると、より価値あるホームページを作ることができると思います。
ブログを読み進めていただく前に、混乱をさけるためにも、まずこの記事における「顧客」について認識を共有しておきたいと思います。「顧客」は「顧みる客」であることから、本来「自社商材を購入したお客さま」を指しますが、この記事では既存顧客はもちろんのこと、まだ自社商材を購入していない見込み客も含んで説明を進めます。
記事内では前後の文脈から便宜上「ユーザー」という言葉を使っている箇所がありますが、「顧客」と同義語として捉えていただければと思います。
[ 目次 ]
ホームページ制作における顧客理解の重要性とは?
1つあなたに問いかけたいことがあります。
顧客のことをよく理解していないのに、サービスや商品が売れると思いますか?
ほとんどの方は「NO」と答えるのではないでしょうか。これはホームページにもそのまま当てはまります。つまり「顧客のことをよく理解していないのに、ホームページ上でサービスや商品が売れることはない」と言えます。
どのようなユーザーがホームページを訪問し、そのユーザーはどんな悩みや課題をかかえていて、どういったニーズを持っているのか、こういったことを想定して作られたホームページと、そのようなことは一切考えず、なんとなく見た目などを気にして作っただけのホームページとではどちらの方が成果が出やすいかは火を見るよりも明らかです。
ホームページで成果を上げるためには、顧客の悩みや課題を把握し、それに対して的確なコンテンツを用意する必要があります。顧客理解とは、顧客のニーズや心理状態を深く理解することとも言えます。この記事では、なぜ顧客理解が重要なのかについて詳しく解説し、具体的な事例を交えながらその効果をご紹介します。
ホームページ制作において、なぜ顧客理解が必要なのか?
できるだけ簡単にまとめると「提供する商材の価値を明確にして、顧客に適切に訴求するため」と当社では考えています。
厳密に言うといくら自社では価値があると思っている商材でも、顧客が価値があると思わなければ価値ある商材とは言えません。顧客が価値を感じてはじめて、その商材には価値があると言えます。
つまり自社視点ではなく顧客視点で考える必要があり、そのためには顧客について深く理解しなければなりません。あなたの会社のホームページは自社が伝えたいことばかりになっていないか?普段発信している内容も自社が伝えたいことばかりの情報に偏っていないか?まずはこのように顧客視点で自問していく姿勢を常に持つことが求められます。
理念やビジョンは会社経営にとって非常に重要なものです。しかし、あなたの会社が提供する商材のことが気になるが、まだあなたの会社を認知していない人にとって、理念やビジョンは本当に重要でしょうか?優先順位は高いでしょうか?
このように考えていくと、トップページのメインビジュアル下の重要な場所に理念などを配置することが顧客にとって良いかどうか判断がつくのではないかと思います。そして、ホームページを作る上でもいかに顧客理解が重要になってくるか、理解が進むのではないでしょうか。
もう少し具体的な例を見ていきます。
以下は、ある中小企業のホームページトップのキャッチコピーです。
「ながれてくるのは、いいであい。」
テレビCMでもよく見かけるような認知が取れている大手企業は別ですが、世の中は名前も聞いたことがない中小零細企業がほとんどです。そのような知られていない会社が抽象的なコピーを用いていたら、あなたはどう感じるでしょうか?
このコピーを見てもおそらく「良くわからない…」という印象を持つと思います。実際にはホームページ左上に配置されているロゴにはサービス内容が分かる文言が含まれていて、さらにグローバルナビゲーションにはサービスに関するボタンも配置されているので、何の商材を扱っているかすぐに気づく人もいると思います。しかし、少なくてもこのコピーを見て何の商材を扱っているかは分かりません。ましてや会社の特長を把握することは一切できません。おそらく顧客理解についての重要性に気づかないまま制作を行ったのではないかと推察します。
顧客理解を深める方法
ではどうやって顧客理解を深めていくのか?といった疑問が浮かんでくると思います。顧客理解を深める方法としては、アンケート調査や定性的なインタビュー調査などがあります。しかしコストや人的リソースなどの面でアンケートやインタビューなど本格的に行うまではできないう会社も多いと思います。
もっと気軽な方法としては、既存顧客になぜ自社商材を購入していただけたのかをヒアリングしたり、また購入前の検討ユーザーからよくいただく質問や相談を現場から吸い上げることです。
現場でお客さんと接している営業などは、日々顧客と接する中で、顧客が抱える課題や悩み、もしくは要望といったことを日頃から聞いているはずです。それをもとに課題や悩み、要望を拾い上げれば顧客理解を十分深めることができます。そして自社商材を購入した実際の既存顧客を基にすれば、よりリアルなペルソナを設定することもできます。
このように方法は1つではありませんので、自社の置かれた状況によって何が出来るかを考え実践すれば、より深い顧客理解が可能となります。
顧客理解をどうホームページの設計に活かすのか?
顧客理解を深めたら、実際にホームページの設計に活かすことが重要です。というよりホームページに活かさないのであれば、顧客理解をする意味は半減してしまうでしょう。
ここでは、具体的な設計のポイントをご紹介します。まず、顧客のニーズを考えた際、コンテンツに過不足はないかを見ていくことが第一歩になります。コンテンツ作りで重要なことは、具体的に見えてきた顧客の課題や悩みを共感を得るよう丁寧に説明し解決策を提示することです。
そして作成した新しいコンテンツは既存ページに追加すれば良いのか、既存ページだけでは足りず新しいページを追加する必要があればサイト全体の構成も見据えて反映させていきます。
またコンテンツは文章が良いのか、図や表を用いながら説明すべきなのか、動画の方が分かりやすいのかなど、コンテンツそのものの見せ方にも顧客理解が影響してきます。さらには使いやすい、見やすいかといった顧客目線で確認することも重要です。
ホームページではどこで他社と差別化をすべきか?
たまに見た目のデザインで他社と差別化を図りたいという要望をクライアントから受けるといった話を聞くことがあります。最近でこそ少なくなりましたが、Web業界に10年以上携わる中で、私自身も見た目で差別化を図りたいといったご要望を実際にいただいたことがありました。
しかしながら、ここまで読んでいただくと分かるように、企業ごとに提供する商材が違うため、顧客の課題や悩みは当然異なりますし、その課題や悩みに対する解決策も必然的に異なってきます。だからこそ見た目で無理に差別化する必要はないですし、むしろ顧客の課題や悩みに対して、自社商材を購入するとどういう便益があるかなど、コンテンツ自体を徹底的に磨くことに時間・労力を費やすべきです。
「業界が同じであればコンテンツの内容も同じになってくるのでは?」というツッコミがありそうですが、そう思ったあなたは、顧客理解が進んでいます。
ただし、冷静に考えていただきたいのですが、業界が同じであれば扱っている商材は当然同じようなものにはなりますが、提供する商材の特長や強みは異なりますし、すべてが全く同じということはないはずです。現にWeb制作会社は多数ありますが、得意分野や扱っているサービスは全て同じな訳ではありません。つまり顧客に対する解決策は企業によって異なってきます。
もし仮に全く同じ商品を扱っているのであれば、基本的には価格勝負になってきます。しかし、実際には提供している商材自体が全く同じだとしても実績の数が違う、フォローアップが異なる、オプション機能に差があるなど、何らか違いがあるはずです。
このように業界で同じような商材を扱っていても、企業ごとの違いを顧客理解と結びつけて訴求することで、コンテンツとしての違いを出すことが可能になります。
業界が近くなればなるほど特長、サービス案内、実績(事例)、お客さまの声、よくあるご質問、会社案内など、ホームページは同じような構成になってくるものです。しかし、各ページに掲載するコンテンツの中身に関しては、前述したように解決策が企業ごとに違うものとなるため、必然的に異なってきます。だからこそ、差別化を考えるのであれば、顧客にとって重要な判断となるコンテンツ自体で差別化を図ることを重視すべきです。
間違って理解していただきたくないので念のためお伝えすると、デザインを蔑ろにしていいということを伝えているのではありません。しかし、課題や悩み自体がデザインに関わるものでなければ、少なくても「デザインが優れているから購入する」という行動にはならないはずです。
だからこそ、顧客理解に注力し、顧客が真に必要としてるしている情報は何か?を徹底的に考えコンテンツとして発信していくことが何よりも重視すべきことだと当社は考えています。
今までお伝えした思考を取り入れながら、ホームページの設計を行っていきましょう。
顧客理解をホームページの成果に結びつけるためのポイント
ホームページ制作を行う上で制作前の設計が非常に重要なポイントとなりますが、どう顧客理解を設計に活かしていくのかについては、前項でお伝えしました。ここではホームページ公開後の運用におけるポイントに絞って解説していきます。
ここまでの内容と重複する部分がありますが、日々の業務の中で既存顧客や検討ユーザーから相談や質問、またはクレームのような意見をいただくことがあると思います。そのフィードバックの裏には、必ず何らかのニーズが隠れています。そういったニーズを満たすコンテンツを作り発信し続けることが運用においては必須となります。
具体的には既存ページの内容をブラッシュアップする、既存ページとは別に新しいページを作成して訴求する。他にもよくあるご質問ページを充実させる、ブログで実際の相談や質問を基にしたお役立ち情報を発信するなどが挙げれます。
その他、Googleアナリティクスなどの分析ツールでの定期的なデータ分析も挙げられます。さまざまな切り口からのユーザー行動の分析を通してユーザーの心理を推測し、その推測をもとに改善施策を立案・実行し成果に結びつけていくことも可能です。とは言っても、データ分析でユーザーのことが全てわかるというわけではないので、そこは注意が必要です。
このように、ホームページ公開後も放置するのではなく、顧客理解を常に頭に入れながら運用することで、成果を出す可能性を高めていくことができます。
まとめ
ホームページで成果を出すためには、顧客理解が不可欠な理由について少しは理解が進んだのではないでしょうか。顧客の課題や悩みを理解し、それに対する解決策を的確に提供することで、ユーザーの関心を引き付け、コンバージョンに繋げることができます。
顧客理解を深めるためのアプローチ方法やホームページの設計、運用ポイントを押さえ、ホームページに反映させることで成果が出るホームページに育てていくことができます。顧客の真のニーズに応える価値あるコンテンツを提供し、顧客との関係を徐々に築いていくことを大切にしてみてください。
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