直帰率だけで判断する危険性
Googleアナリティクスなどを用いたホームページの数値解析において、直帰率は多くの担当者の方にとってチェックすべき項目で、できるだけ低くしたいという思いを持っている方も多いと思います。だからといって直帰率が高いから即ページを改善しなければならないという考えをもしお持ちの方は、ぜひ今日のブログを読み進めていただければと思います。
今日はなぜ直帰率だけで判断するのは危険なのかということについて、その根拠となる理由をまとめたいと思います。
[ 目次 ]
そもそも直帰とは、また直帰率とは?
直帰とは、ホームページを訪問したユーザが1ページしか見ずにそのままホームページを離れることです。一方、直帰率とはホームページ全体の訪問のうち、直帰した割合を表わす指標のことで、つまり何%が1ページしか見なかったのかを表わす数値です。
本来は他のページに遷移して1ページでも多くのページを閲覧してもらい、サービスのことや会社のことをより深く知ってもらう。そして、サービスの購入や問い合わせにつなげることを、多くのホームページでは最終目標として持っていると思います。そのようなことから、ユーザが1ページしか見ないで帰ってしまう直帰率が高いページは、
ユーザの役に立っていないページ=改善が必要なページ
という図式が成立してしまうような錯覚に陥りやすくなります。
直帰率が同じでも、ページに滞在している時間は大きく違う可能性があることを考慮しなければならない
直帰したと言っても、ホームページを訪れたユーザの行動自体は全く違うものである可能性があります。自分がユーザの立場として考えてみるとわかりやすいとも思うのですが、例えば「直帰率とは」というワードで検索した際に検索結果に表示されたホームページがあまりにも見づらく分かりづらい、もしくはあまりにも中身が薄く信頼できそうにないコンテンツだと判断した場合、すぐに検索結果に戻り、他のホームページへと遷移すると思います。
一方、非常にすぐれたコンテンツを用意したページであれば、コンテンツを読み進めることで直帰率について理解を深めることができると思います。そして、自分の直帰率について知るという自分の目的は果たせたので、そのままホームページを離れるといったことは普通によくある行動パターンであると思います。この場合、直帰はしたが良質なホームページであるということが言えるのではないでしょうか。
この2つのホームページが同じ評価であるはずがないということは、冷静に考えればあたり前でもあると思います。前者のホームページはユーザの役に立つものでないのに対し、後者のホームページはユーザの役に立つものであると言えます。
直帰率に関しては、ホームページのタイプやページの目的によって大きく異なります。ブログはECサイトやコーポレートサイトに比べ圧倒的に直帰率が高くなる傾向がありますし、同じホームページ内でも用語集といったページや、アクセスといったページも他のページより高くなる傾向があります。また、自然検索で訪問したユーザより、広告経由で訪問したユーザの方が直帰率が高いといったことも可能性としては出てきます。
このようなことから直帰率だけでなく、サイトのタイプやページの役割といった様々な要素も加味しなければならないということをまずは抑える必要があります。
デュエルタイム(dwell time)という指標
デュエルタイム(dwell time)とは、検索結果ページからホームページを閲覧して検索結果に戻るまでの時間のことです。
先日、世界でSEO事業を展開しているブルースクレイジャパンさんのセミナーに参加しました。米国本社の代表自らが壇上にあがりましたが、そこでGoogleはデュエルタイム(dwell time)を見ていると言っていました。
つまり、これを元にユーザに役に立つホームページであるか、そうでないかの判断基準の一つとしてGoogleはデュエルタイム(dwell time)を利用していると明言していました。
確かにこういう指標があれば、仮に全体的に直帰率が高いホームページであっても、しっかりとユーザの役に立つコンテンツを持ったホームページであるのか否かということを客観的に判断できますし、非常に重要な指標だと思います。
デュエルタイムを調べる方法は?
残念ながら多くの担当者が使用しているであろうGoogleアナリティクスではデュエルタイム(dwell time)を測定する機能はありません。しかしながら、直帰したページに関して、ユーザがすぐに離脱してしまったのか、もしくはある程度ページを閲覧してくれてから離脱したのかといった傾向を見ることはできます。
方法としては、例えば以下のようなことが考えられます。
- Googleタグマネージャーでページのどこまでスクロールしたかを測定できるよう設定する
- ヒートマップツールを使う
こういったものを利用することで、実際にページをじっくり閲覧してもらえているのかどうかを客観的に調べることができます。
まずは実際に使用するしないに関わらず、知識としてこのようなことを頭に入れておけば、例え直帰率が高くても役割を果たしている価値あるページをむやみに改善してしまうといった誤った判断をせずに済みます。
仮にもし関連ページへ遷移してほしかったのに直帰してしまったといっても、ページ遷移させるためのテキストリンクの位置が適切ではなかっただけなど、コンテンツそのものを変えるのではなく一部分だけを改修すれば良いだけだったといったことも十分に考えられます。
このように総合的に見ながら適切に判断するという視点が非常に重要になってくると思っています。
まとめ
直帰率はページ改善の一つの指標になることは間違いないですが、直帰率だけで判断することは、しっかりと役割を果たし改善の必要がないページを改善してしまうという危険性があります。業界平均の直帰率より高いからなどということに振り回されず、そのホームページのタイプや、該当ページがどういう役割なのかといったことも踏まえ、判断することが大事だと思います。
「直帰率はあくまでも一つの参考値」というくらいで捉えておくのがよいのではないかと思います。少しでもヒントになれば幸いです。
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