これでホームページ制作の費用の内訳がわかる! | 費用の内訳と見逃しがちな費用について注意ポイントを解説
ホームページの制作にかかる費用、公開後の運用にかかる費用と聞いて、どのような費用が思い浮かぶでしょうか?
ホームページの作成が初めてであれば、どのような費用がかかるか検討もつかないかもしれません。この記事ではホームページ制作にかかる費用、そしてホームページ公開後の運用にかかる費用について、その内訳を説明するとともに、大切な費用にもかかわらず、忘れがちな費用についてお伝えしたいと思います。
この記事を読めば、ホームページ制作を外部のWeb制作会社に依頼する際、Web制作会社からの見積り書の内容をある程度理解できるようになります。また、注意点を把握しておくことで、後から「この費用は頭になかった!」と、追加で予算を確保するといったことも防げるでしょう。
この記事は企業規模が〜50名程度のWeb担当者、〜20名程度の経営者の方に向けて、ホームページにかかる費用の内訳と、忘れがちな費用項目について現場目線で解説していきます。
[ 目次 ]
ホームページ制作費用の内訳
企画・設計費用
これから作成する新しいホームページについて、企画し設計する費用です。
当社では、既存サイトがあれば現状の課題、これから作る新しいホームページの目的、新しいホームページに対する要望などをヒアリングによって把握し、クライアントの目標達成のためにどのようなホームページを作るべきか、既存サイトのアクセス分析や競合サイトの調査、サイト構成の作成、各ページのレイアウトを可視化するワイヤーフレームの作成などを行います。
デザイン費用
ページの設計図であるワイヤーフレームもとに、デザイナーが実際にページをデザインする費用です。
単に見栄えを良くするだけでなく、各コンテンツをどのように配置し、どのくらいスペースを取れば、ユーザーが読みやすいか、また目を引くことができるかといったことを考えながらデザインを行います。
配色のバランスはどうとれば、ターゲットユーザーに感じて欲しい印象を与えられるか、ユーザー視点に立ちながらデザインすることが求められます。このように、知識・ノウハウを踏まえ理論的に考える費用も含まれています。
コーディング費用
デザイナーが作成したデザインデータを基に、実際にWebページとして構築する費用です。
デザイナーがデザインしたものは単に1枚の絵と同じです。これではボタンをクリックしたり、ページを遷移することができないため、実際のWebページとして作り込む必要があります。また、スマホでアクセスした際にスマホ用に適したレイアウトで表示するような作り込みも一緒に行います。
スマホ対応はWeb制作会社によって標準で含まれている場合と、別費用となっている場合があるため、依頼するWeb制作会社に確認することをおすすめします
システム構築費用
Webの知識がない方でも簡単に更新できるような仕組みを構築する費用です。
このような仕組みのことをCMSと言いますが、当社では、日本だけでなく世界中で使用され多様な機能を持つWordPressを導入することがほとんどです。この仕組みを構築することによって、例えばブログやお知らせ、導入事例やお客さまの声などのページが簡単に更新できるようになります。
また、お問い合わせフォームの作成費用もこのシステム構築費用に含まれます。
撮影費用
プロカメラマンによる撮影の費用です。
スタジオで撮影するだけでなく、出張してクライアントのオフィスで撮影するといったことも対応します。撮影のカット数が多い場合はアシスタントが必要となることもあり、アシスタントが入る場合は、その分の費用も加算されるます。
また遠方の撮影の場合は、交通費や場合によっては宿泊代も別途かかることもあります。
自社のスタッフは何らかの理由で撮影がNGという場合、モデルさんを起用することも選択肢の一つです。その際は、別途モデルさんの出演料がかかります。
イラスト作成費用
オリジナルのイラストを一から作成する費用です。
無料で使用できるイラストも世の中には数多くありますが、イラストのタッチ(雰囲気)がイメージしているものと違う、使いたいシーンにあったイラストがない場合、イラストレーターに依頼して一から作成することをおすすめします。
特に複数のイラストを使うことを想定している場合、無料のイラストの中から、同じタッチで全てのシーンにあったイラストを探し出すことは非常に困難です。タッチがバラバラなイラストを同じホームページ内で使用することは、ユーザーに違和感を与えることになりますので注意が必要です。
そのようなことから、複数のイラストを使用する場合は、プロのイラストレーターに依頼することを強くおすすめします。
検証・フィードバック対応費用
新しく作成しているホームページをチェックする費用です。
新しく作成中のホームページは、一般ユーザーが閲覧できないよう通常はテストサイト上に公開します。そのテストサイト上で、契約時に設定した各ブラウザで実際にチェックし見た目に違いがないか、レイアウトが崩れたりすることなく、正しく表示されているかなどをチェックします。同時に文章の校正や、写真が仮のものでなく、本番用の写真に差し代わっているか?などのチェックも行います。
クライアントにもチェックいただきますが、その際にいただく修正のご要望に対応する費用も含まれています。
リリース対応費用
テストサイトで制作したホームページを本番環境に公開する作業の費用です。
単に公開するだけでなく、公開後に表示が正しくされているか、CMSやフォームが正しく動いているかなどのチェックも行います。
ディレクション費用
ホームページ制作プロジェクトの開始から納品までの、プロジェクト全体を管理する費用です。
Web制作会社によっては「進行管理費用」という場合もあります。この費用の中には、打ち合わせ、メールや電話等のコミュニケーション、スケジュール管理、原稿・画像等の指示出し・受領・管理、プロジェクトメンバー調整・指示などが含まれます。
Web制作会社によって費用の項目自体が異なっていたり、項目の名称が違うことがありますので、これが絶対というものはありません。しかし、目安としては上記のような費用項目になると思います。これらを理解した上で見積もりを取ると、各項目の意味をある程度は把握できるようになると思います。
「ホームページ作成 費用 内訳」などで検索すると、この章でお伝えしたように、各項目について説明する記事が多数検索結果に表示されますが、項目ごとに費用の相場を掲載しているものがあります。
発注側としては概算でもよいから費用感を把握したいというニーズはあると思うので、費用を掲載すること自体は良いと思っているのですが、記事によってその費用が大きく異なり、Web制作会社からすると、見ているユーザーは混乱してしまうだろうなと感じることがあります。
費用相場といっても、その記事を書いているWeb制作会社の費用がベースになっていると思われ、本当に記事ごとに書かれている金額が異なるため、あくまでも目安の目安くらいに捉えておくことをおすすめします。
ホームページ制作で見逃しがちな費用項目
前章ではホームページの制作費用について、その内訳を細かく分解しましたが、ホームページを作成する際の予算を確保する際、各項目ごとに費用を算出し、それを合計して全体の予算はどの程度かかるか?といった積み上げ式で予算組みをすることはないと思います。
各項目の費用をホームページ上で細かく表記しているWeb制作会社も少ないですし、もし表記されていたとしても、先程触れたようにあくまで目安でしかなく、実際には発注側の要望内容によって費用は変化するため、自分たちで費用を算出することは、そもそもできないと思います。
そのようなことから、この章ではクライアント側の頭の中に「その項目は考えていなかった!」となりがちな項目について、あくまでも当社の感覚にはなりますが、お伝えしたいと思います。
それは、撮影費用です。写真は「自分たちで用意しようと考え撮影費は不要」と考えてる場合もありますが、そもそも写真の費用のことがごっそり抜け落ちている場合もあります。そのようなことから撮影費のことをお伝えすると、考えていた予算から撮影費が追加となるため、がっかりされるような雰囲気になるクライアントもありますので、撮影費は最初から費用がかかるものと捉えておいた方が良いと考えています。
もし、自社で用意するとお考えの場合でも、当社としてはプロのカメラマンに撮影いただくことを強くおすすめしています。プロのカメラマンはカメラの知識、撮影技術はもちろんのこと、光の強さや角度、人物撮りの際は緊張をほぐす雰囲気つくりなど、さまざまなスキルを駆使して撮影します。
当たり前ですが、素人が撮影した写真とは品質において明らかな違いがでます。カメラに詳しく普段から数多くの写真を撮影されているスタッフが社内にいれば、まだ検討の余地はありますが、そもそも社内にそのようなスタッフがいるのは稀です。また、仮にいたとしても、やはりプロカメラマンの撮影を当社はおすすめします。
ホームページを運用するための費用
サーバー費用
ホームページをネット上に公開するには、作成したホームページのデータを格納するサーバーが必要になります。そのサーバーを利用するための費用です。
自社で直接契約することも可能ですが、サーバーのことは全くわからないので、サーバーの契約・更新などはお願いしたいと、Web制作会社に依頼する企業もあります。そうなると外部に依頼する分、自社で直接契約して管理するするよりも費用はかかりることになります。
ドメイン費用
ホームページをネット上に公開するには、サーバーの他にドメインも取得する必要があります。ドメインは取得する際の初期費用と、毎年更新する必要があるので更新費用とがあります。
サーバーと同じように、よく分からないので契約や更新はお願いしたいと、Web制作会社に依頼する企業もあります。これもサーバーと同じですが、外部に依頼する分、自社で直接契約して管理するするよりも費用はかかりることになります。
保守・管理費用
WordPressなどのCMSを入れている場合、WordPress本体やプラグインのバージョンアップやバックアップ、不具合があった時のデータ復旧や一時対応などを行う必要があります。このようにホームページを保守・管理するための費用です。
意図しないWebサイトの改ざんを防止するなど、セキュリティの観点から保守・管理は必ず行うべきものです。社内に詳しいスタッフがいないようでしたら、ホームページを作成してもらったWeb制作会社など専門家へ依頼するとよいでしょう。
更新費用
ホームページの更新や修正を行う費用です。
Web制作会社によっては、保守・管理費用内に「更新・修正は月x時間まで対応」といった更新費用が含まれている場合もありますので、保守・管理を依頼する場合は、更新については含まれているか、別費用になるか確認すると良いでしょう。
ホームページを運用で見逃しがちな費用項目
最近はWebサイトの改ざんなど悪意のある攻撃が増えてきていますので、WordPressなどCMSを導入している場合、WordPress本体やプラグインのバージョンアップを行う必要がありますが、その大事な保守・管理費用のことを知らない、もしくは頭から抜けてしまっていることが多いので注意が必要です。
もちろん、自社で対応できるようであれば費用はかかりませんが、制作してもらったWeb制作会社など外部に依頼する場合は、当然費用が発生することになります。
バージョンアップを行うことで、今まで問題なく使用できていた機能が失われたり、サイトが正常に表示されなくなったり、不具合が発生する可能性があることも注意が必要です。少しでも不安があるようでしたら、Web制作会社など外部の専門家に依頼することをおすすめします。
ホームページの制作をWeb制作会社に依頼するときの注意すべきポイント
事前に必ず見積もりを取る
当たり前ですが、ホームページの制作をWeb制作会社に依頼する場合は、事前に必ず見積もりを取りましょう。この記事を見ていただいた方は、その見積もりの内訳の意味をある程度把握できるようになっているはずですが、もし分からないことがあれば、遠慮せず確認して納得感を持って進めるようにしてください。
この時、Web制作会社の対応を注意深く見ておくことをおすすめします。ここでWeb制作会社の対応が面倒くさそうな対応だったり、レスポンスが非常に悪かったら要注意です。正式に依頼して実際にプロジェクトが動き出した際にも、同じように対応が悪く、プロジェクト期間中ストレスを抱え続けることになる可能性が高いからです。
そのようなWeb制作会社は、公開後もずっとサポートを行ってもらうパートナーとして不適格と言えるでしょう。
発注前の時期は、単に分からないことを確認するだけでなく、本当にパートナーとして発注すべきWeb制作会社か見極める時期でもありますので、受け身にならず、発注側が主導権を持つくらいの気持ちを持っていて良いと思います。
費用の安さだけで判断はしない
複数の会社から見積もりを取ると費用の比較ができるようになりますが、費用が一番安いという理由だけで判断するのは避けるべきです。先程お伝えしたように、顧客対応が悪ければストレスを抱えることになりますし、最悪の場合は途中でWeb制作会社を変更しなければならないといった状況になることも考えられます。
また、費用は安いけれど、全く成果に繋がらないホームページでは本末転倒です。ホームページを作る時、あなたの会社のビジネスの売上向上、認知拡大、人材採用など、何らかビジネスに繋げることが目的のはずです。
作る前に全てを予測するのは不可能ですが、それでもビジネスに貢献するようなホームページを作れるWeb制作会社か?という視点を持って、提案内容を軸に顧客対応、費用など、総合的に最終判断することを切に願います。
まとめ
ホームページの費用の内訳については、さまざまな記事を見つけることができると思いますが、この記事では見逃しがちな注意点についてもお伝えしました。
ぜひ、ホームページの制作、また公開後の運用における費用について漏れがなく、あとから追加で予算を確保しなければならない、といった状況にならないよう、少しでもこちらの記事を参考にしていただければと思います。
「日々の仕事」ブログでは、ホームページ制作の現場において実際の出来事や気づきなどのお役立ち情報を発信していますので、ぜひ他の「日々の仕事」も合わせてご覧ください。
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