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知り合いのカメラマンにホームページ用の写真撮影を依頼する際に注意すべきこと

ホームページで使用する写真の撮影において、通常はホームページの制作を依頼するWeb制作会社が手配するプロカメラマンが撮影します。しかし、社長やスタッフの知り合いにプロのカメラマンがいる場合、せっかくなら自分や自社のことを理解してくれている、その知人の方にホームページで使用する写真撮影をお願いしたいと思うのは自然なことでしょう。

しかし、気軽に依頼できるとはいえ、簡単に考えるのは要注意です。依頼するにあたり、注意すべきポイントがあります。自社(自分)のことをよく知っているプロのカメラマンだからといって、何もしないで良い写真を撮ってくれると考えていたら大間違いです。

この記事では、写真撮影を依頼する場合の抑えるべきポイントについて解説していきますので、もし知り合いのカメラマンに依頼する際の参考としていただければと思います。
※知り合いでなくても、自社でカメラマンを手配する場合には当てはまる内容です

ホームページおよび写真を使用する目的を明確にする

まずは目的を明確にすることが何より重要です。目的とは具体的に以下のようなことです。

  • ホームページの目的は何か(見込み客からのお問い合わせ獲得、商品・サービスの販売、企業紹介など)
  • ホームページのターゲット層は誰か(年齢層、性別、職業など)
  • 各写真がどのページのどの場所で使用されるのか(例:トップページのヘッダー画像、製品詳細ページの製品写真、スタッフ紹介ページの各スタッフの写真など)。
  • 必要とする写真の枚数
  • 撮影で伝えたいイメージや雰囲気(カジュアルで親しみやすい、シックで高級感など)

1と2はホームページを作成する段階で決まっているはずですが、万が一決まっていない場合、撮影を行う段階で見直すことをお勧めします。

使用したい構図を考える

最終的にはカメラマンと相談すべきですが、まずはどのような構図で撮影して欲しいか、自社で考えて見ましょう。構図は撮影において非常に重要です。

構図と言われてもピンとこない方のために、実際の写真を用いて説明します。

被写体の位置

例えば、撮影した写真を元に横長のトップページのメイン画像を作成する場合、キャッチコピーの配置も考えなければなりません。人や商品を撮影する場合、被写体を中央で撮影してしまうとコピーを入れた際にバランスが悪くなるため、被写体を左寄せ(右寄せ)で撮影する必要が出てきます。つまり、どこでどのように使用するか、その目的によって写真の構図が大きく変わってきます。

下記の画像は少し極端な例ですが、見比べるとイメージしやすいかなと思います。
※トリミングとは切り取るなど、写真の加工をすることです

写真の構図の説明
写真の構図の説明

何も考えず被写体を中央に配置してしまうと、コピーを入れた時にバランスが悪くなります。右にスペースを空けるために、被写体を左寄せにしてトリミングすること自体は可能ですが、そうすると今度は右側の部分が切れてしまう(足りない)といったことが発生します。

「引き」と「寄せ」

「引き」と「寄せ」も非常に重要です。よくありがちなのが、被写体が大き過ぎる写真です。意図的に被写体に寄せて撮影した写真をホームページで使用したいというのであればもちろん構いませんが、被写体が大きいとトリミングするにも制限がでてきます。

「寄せ」の写真の場合

写真の「引き」と「寄せ」の説明
寄せた写真は加工が限られてしまう。右端の画像は引こうとすると左右が切れてしまう。(わかりやすくするため背景をグレーにしています)

「引き」の写真の場合

写真の「引き」と「寄せ」の説明
引いた写真は加工がいろいろしやすい

上記を見ていただけると、少し理解が進んだのではないかと思うのですが、構図を考えておかなければせっかく良い写真を撮っても、ホームページ上で意図通りの配置できない、といったことも起こりかねません。

もちろん、実際にはプロカメラマンに相談してアドバイスを求めた方が良いですが、この構図を考えておくはホームページ上での写真配置を実際にイメージすることになるので、非常に重要だと考えています。

これらはどのページのどこで使用する予定か、ある程度イメージできていないと構図も決まりません。逆にいうと構図がイメージできているのであれば、どのページのどこで使用するかある程度決まっているはずです。前章でお伝えした「各写真がどのページのどの場所で使用されるのか」を明確にしておくことは、構図を考えるためにも重要なことが理解できるのではないでしょうか。

この段階では恐らくデザインができていなくても、コンテンツをどの順番でどのように配置するかを確認するためのワイヤーフレームが出来ているのではないかと思います。このワイヤーフレーム(デザインまで進んでいる場合はデザインデータ)をカメラマンに共有しておくと、カメラマンも撮影のイメージがしやすく明確になり、良い写真を撮影できる可能性がより高まります。

イメージに近い写真を用意する

例えば、人物であれば落ち着いていてプロフェッショナルなイメージ、笑顔で親しみやすいイメージなど、伝えたいイメージがあるでしょう。それらをカメラマンに伝えるために、撮影するカット(点数)ごとにイメージに近い画像を数枚ずつ用意しておきます。

これは感覚的な要素も強いため、文章だけでなく目で見て感じてもらえるよう画像で用意しておくことがポイントです。ネット上で直接画像検索するのでも良いですし、下記のようなストックフォトで探すのが良いでしょう。

他にもありますので、気になるようであれば「ストックフォト」などで検索してみてください。

撮影点数が多いのであれば、スケジュールを考えておく

写真点数が2、3枚と少なければ問題ないですが、Web制作の現場では1日かかりで写真を数十点、それを数日に渡って撮影することもあります。このような場合は事前準備が必要不可欠になります。

それだけ多くの写真を撮影するにも関わらず、事前準備がないと予定していたカットの撮り忘れや、スケジュールが大幅に狂う、といったトラブルが発生するだろうことは容易に想像できると思います。実際にトラブルが発生する確率が格段に高くなりますので、注意が必要です。

下記の画像は、撮影を行うにあたり実際に当社が作成し撮影現場で活用した香盤表と呼ばれるスケジュール表です。各社ごとに細かい違いはあるとは思いますが、基本的にはこのような表に近いはずです。

実際に使用した香盤表

上記はANALYZERさまの撮影の際に使用した香盤表で、この時は動画の撮影も同時に行ったのですが(その一部をトップページのメインビジュアルで使用しています)、このように撮影点数が多い場合は、撮影開始時間や各カットごとの撮影にかかる時間、そして撮影場所についてあらかじめ細かく決めておきます。

撮影するイメージの参考画像も一緒に添付しておくことで、カメラマンとの認識の共有も図りやすくなります。

人物撮影の場合は、カットごとに誰を撮影するのか決めておき、名前の記入まで行います。その場で人選を行うと、間違いなくスケジュールが押しますので、必ず事前に決めておきましょう。これらを事前にカメラマンと擦り合わせておくと、当日スムーズに撮影を行うことができます。

決めた内容を撮影前にカメラマンに共有しておく

当たり前ではありますが、これまでお伝えしたような事前に準備した内容を、撮影前にお願いするカメラマンに共有しておきましょう。カメラマンの立場からすると、必要な情報のため、こちらからお伝えしなくても情報が知りたいとカメラマンから連絡が入るはずだとも思いますが、依頼側から進んで情報提供する姿勢は大切にしたいところです。

クライアントの知人カメラマンが撮影した写真を使用した当社の事例

当社がお付き合いしているカメラマンではなく、クライアントの知り合いのカメラマンが撮影した写真を用いて、ホームページを作成した実例をご紹介します。

看護師経験を活かし、医療現場でコンサルティングやセミナーなどのサービスを提供している、ジョイン-ハンズさまです。
ジョイン-ハンズさまのホームページはこちら

こちらで使用している写真は、ジョイン-ハンズ代表の輿石様のお知り合いのカメラマンに撮影いただいたものとなり、当社からすると接点が一切なかったカメラマンになります。

では、実際に当時どのように初めてのカメラマンとやり取りしたか、その流れをお伝えします。

実際のやり取りの流れ

輿石様のお知り合いのカメラマンの方は、お会いしたことがなかったため連絡先もわかりません。そのため、この時は輿石様がLINEグループを作り、カメラマンと私(砂子)を招待しそのLINE上でやり取りを進めました。

具体的には、

  • ホームページに訪問するユーザーにどのような印象を感じて欲しいか
  • ホームページのどのページ、どの場所で使用する写真を撮影して欲しいか
  • 撮影カットごとのイメージや構図の指示

について、カットごとのイメージ画像を複数枚用意し、その上で文章でも補足説明しながら、何度かやり取りを重ね共通認識を図りました。

カメラマンは撮影のプロであっても、使用する目的が分かれなければ良い写真は撮影できない

毎回撮影現場で思うことですが、光の調整や雰囲気作りなどを行うカメラマンの姿を見て、「さすが、プロのカメラマンだな」と思いますし、実際に仕上がってくる画像データを見た時も、同じことを思います。

しかし、いくらプロのカメラマンといっても、どこでどのように使う予定なのか、またどういうイメージを見る人に感じて欲しい写真を求めているのか、事前にそのような情報がなければ良い写真を撮ることは難しいものです。

使用する場所ではどのような構図が必要なのか?寄せなのか引きなのか?人物であれば正面なのか、横を向いているのか?横を向いているのであれば、どちら向きが良いのか?などを事前に決める必要があります。

最悪の場合、写真自体はイメージ通りの良い写真だったとしても、予定していた場所で使用するには構図が適切でなかったために使用できないといったことも起こり得ます。

プロのカメラマンであれば、基本的な情報はこちらから言わなくても聞いてくるとは思いますが、先ほども少し触れたように依頼側からしっかりと伝える姿勢が重要だということを頭にいれ依頼するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?「そんなことは当たり前でしょ」と思う方もいるかもしれませんし、「えっ、そこまで決めておく必要があるの?」と驚かれる方もいるかもしれません。

いずれにせよ、ホームページで使用する写真を撮影するためには、事前の準備が重要なことはご理解いただけたのではないでしょうか?

プロだから全て任せておけば良いと考えていると、場合によっては失敗する可能性がありますので、ぜひ良い写真を撮影するためにも、この記事に書いた内容を参考にしていただければと思います。

「日々の仕事」ブログでは、ホームページ制作の現場において実際の出来事や気づきなどのお役立ち情報を発信していますので、ぜひ他の「日々の仕事」も合わせてご覧ください。
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