「ここから買いたい!」とユーザが思うホームページとは?
みなさんは何か商品やサービスを購入しようとして迷っている時に、ホームページが購入の後押しになった経験はありますでしょうか?もしくは「お店に行ってみよう!」となった経験はありますでしょうか。
今日のブログは、そもそも購入する商品やサービスが完全に決まっている場合ではなく、気になる商品があるがどこで買おうか色々なホームページを見て迷っているような状況を想定しています。
では、そのようなホームページとはどのようなものか、私の経験からなのであくまでも個人の見解がベースではありますが、購入を後押しする正体について私なりの考えを共有したいと思います。
[ 目次 ]
ホームページに共感できる要素がある
結論からお伝えすると見出しにある通りで、共感できる要素が何かしらあるということです。共感する要素とは具体的に言うと、創業から現在までのストーリーであったり、苦労した商品開発であったり、企業としての在り方だったりです。
今後はそのような内容を動画で伝えていくことが増えるかもしれませんが、それでも基本は文章が残って行くのではないかと思います。
例で挙げたのはあくまでも一例で、他にも様々な要素はあります。また、何に共感するのは人それぞれですので、例に挙げたものが必ずしも他の人に取って共感しない場合もある、ということを前提に抑えた上で話を進めます。
実際に共感したホームページ
私がサイトを見て共感したサイトを下記に記します。
どすいかさん
長野にある「食べて笑顔になる」がキャッチコピーの土肥農園という、夫婦で経営されているスイカ農家さんです。こちらのホームページはほっこり和むイラストやプロに撮影してもらっただろうキレイな写真がまず目に止まりますが、私が共感したのは、「土肥農園ができるまで」という農業を始める前から現在までの軌跡を文章で綴ったコンテンツです。
元バンドマンだった人間がどのような経緯で農業を始めるに至ったか、そして素人が簡単に成功する訳もなくどのような苦労を乗り越えて来たかが綴られています。また「土肥農園ができるまで(妻編)」という奥様バージョンもあり、これを読むと一気に引き込まれて、このスイカを食べてみたいという気持ちになり実際に購入に至りました。
マザーハウスさん
マザーハウスさんは「途上国から世界に通用するブランドをつくる。」というミッションを基にした企業としての様々な姿勢がとても素晴らしく共感しますし、もっとこの会社について知りたいという欲求が湧き上がってきます。
きっかけは、「マザーハウスの歩み」という創業ストーリーのページです。ここで創業時の苦労を知りました。この時点で一度お店に行ってみようという気持ちになっていましたが、代表の山口絵理子さんが「裸でも生きる」を出版されているのを知って貪るように読み、読了後に即お店に行ったことをはっきりと覚えています。
それまでマザーハウスさんのことは全く知りませんでしたが、商品も非常に魅力的で私好みのバッグもあり、購入まで至りました。
株式会社ベイジさん
ベイジさんは当社と同じWeb制作会社ですが、あえて競合となる企業を載せています。ここのホームページから伝わってくることは、正しいホームページの在り方を実直に追い求めている姿勢です。
代表の枌谷さんのブログがきっかけでベイジさんを知ったのですが、必要に不安を煽って受注に結びつけようとするのではなく、メインターゲットとなるWeb担当者の方へ役に立つ価値ある情報を発信していくという姿勢を伺いしれます。この姿勢に共感し、同業者として勉強させていただいている企業です。
共感するホームページに共通すること
まず、ホームページどうのこうの言う前にお伝えすべきことは、これらの企業の商品やサービスが良いことはいうまでもありません。いくら共感できるといっても商品が良いものでなければ購入にはつながりません。
もしスイカのように一度食べてみなければ判断できないような商品でも、味が悪ければ一度きりで終わりです。まずここをしっかり抑えておかなければなりません。
商品やサービスが良いという前提条件があってのことですが、共感するホームページに共通しているのは、非常に文字数が多いということです。つまり、簡潔にまとめているというよりは、しっかりユーザが理解できるようなコンテンツになっているということです。
もちろん中身がないただの長い文章は論外ですが、自分たちの言葉でしっかりと伝えたいことを文章で表現しているホームページは、それだけで熱量が違ってきますし、本気度が伝わってきます。
これはWeb制作に携わって気付いたことですが、原稿を作るというのは非常に労力を要します。だからこそ、文字数が多いだけでもこのような本気度が伝わってきます。
比較的大きな決断にもホームページが左右した経験
実は、プライベートの重要な決断においてもホームページが判断の決めてになった事例が過去にありました。それは、娘をどの幼稚園に通わせるかという家族にとって大きな決断においてです。
約2年前、2つの幼稚園でどちらにするか妻と迷っていましたが、最終的にはホームページが決め手となりました。私は仕事で体験会などに一切行くことが出来ず、それぞれの園の雰囲気や先生方の対応など、体験会などを通して実際に感じた妻からの話が主な情報源でした。
信頼できる妻の情報とはいえ、直接的な情報は全く持っていなかったので、2つの園のホームページを見ることにしたのですが、全く印象が違うものでした。
実際に決めた幼稚園のホームページでは、園長先生の園に対する想いや、教育方針、子どもたちに身につけて欲しいことなどが各ページにぎっしりと書かれていて、ホームページ全体から熱量が伝わってくるのをはっきりと感じました。
一方の幼稚園のサイトは最低限の情報しか掲載されていないホームページで、園の想いなどがまったく伝わってこないものでした。この私自身が感じた感情と、それまで妻から聞いていた情報が完全に一致し、最終的に自信を持って幼稚園を決めることが出来ました。
この経験を通して確信したのは、ホームページはデジタルツールですが、画面を通して熱量を伝えることができるということです。これが当社の大事な考えの基となっています。
どうやったら人の心を動かすようなコンテンツを用意できるのか?
先程も触れましたが、そもそも一定の文章量を書くには、普段から自社の進むべき方向性や、提供するサービスの強みや特徴をどう伝えていくかなどを考えていなければ書けません。
また、提供するサービスに対する熱量がなければ、人に伝わる文章を書くことが出来ないと感じています。
当たり前ですが、単に文章量が多ければ良いという話ではありません。それであれば他社のサイトをコピペして切り貼りすれば出来てしまいますから。それにユーザもすぐに見透かしてしまいます。
自分たちの言葉で伝えることが第一歩
文章量を目的にしてしまい他社のサイトばかりを気にかけるより、レベルの高低はあるにせよ、自分たちで作った文章はそれだけでオリジナルコンテンツになるということに思考をフォーカスした方が何倍も価値があります。
良い文章を書こうとするとなかなか書けないものです。その上、人に影響を与えるような内容とある程度のボリュームある文章を書こうとすると、もしかしたら手が止まってしまうかもしれません。
人に影響を与えられるかどうかは相手があってのこと。つまりコントロールしにくい部分です。ここに意識をフォーカスするのではなく、100%自分たちでコントロール出来ることに目を向けることが大事だと考えています。
だからこそ、聞いたことがあるようなフレーズではなく、自分たちの言葉で伝えることが何より重要ですし、上手い下手でなく全力を出し切ることに意識を向けることが。
いちユーザとして他のホームページを見る
デザインの良し悪しでなく、書いてあることに意識をフォーカスして他社のホームページを見ることも大事です。長い文章は労力がかかっているという視点を新たに持つことが出来ると、今まで気づかなかったポイントに気付く可能性が高まります。
その気付いたポイントをメモでもしておき、実際に文章を作成する際に参考するとより良い情報発信が出来るようになりますし、習慣化すれば確実に伝える力が変わってきますので、最初は出来なくても徐々に人に伝わる情報発信が出来るようになります。
ユーザが「ここから買いたい!」と思うコンテンツを作るのは、一朝一夕には出来ませんが、地道に続けていけば必ず出来ることではあると思います。だからこそ、継続的に情報発信していく仕組み化が重要になると思います。
まとめ
購入を後押しするようなホームページには、共感できる要素があるということが何となく理解できたのではないでしょうか。共感ポイントは人ぞれぞれですが、創業から現在までのストーリーであったり、苦労した商品開発であったり、企業としての在り方だったりです。
まずはこういった自社の共感ポイントを探していくことが第一歩となり、それをどのように自分たちの言葉で伝えていくかを抑えて継続すると1年後2年後には明らかにホームページの質が変わってくるのではないでしょうか。
もし少しでも当社のことに興味を持っていただいたようでしたら、トップページや代表メッセージをぜひご覧ください。
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