点ではなく線になると強力なツールへと進化する
会社を新しく立ち上げオフィスの場所が変わり、最近オフィス近くの歯医者さんに通い始めたのだが、そこの歯医者さんのやっていることがすごく参考になることがあるので、今日はそれをシェア。
紹介したい歯医者さんは、はらデンタルクリニックさん。最寄りの小手指駅からはおよそ12、3分くらいあり、さらに住宅街の中にあるクリニックで立地としては恵まれた場所ではない。隣にはらこどもクリニックという恐らく同族経営のクリニックがあるので、小児科にお世話になった患者さんが隣に歯医者さんがあると気づき、そのまま歯も隣で見てもらおう(逆もまたしかり)という通常のクリニックとは違った集客の流れがあるとは思うが、それを差し引いても開院当初は集客は簡単ではなかったのではないかと思うような場所だ。
そんなはらデンタルクリニックさんはいつも患者さんがたくさん来院しているクリニックなのだが、まだ3回しか通っていないにも関わらず多くの患者さんに支持される理由がわかった。もちろん全てを把握したわけではないが、それでも「はらデンタルクリニックさんはすごくいい歯医者さんだよ」と知人に勧めるには十分な理由だ。
まず、私がはらデンタルクリニックさんに行こうと決めた理由はいたって普通。「小手指 歯医者」でネット検索してヒットしたから。ただ他にも数件のヒットがある中で、一度行ってみようと思ったのは、ホームページがレスポンシブデザインに対応していたし、デザインもある程度しっかりしていて歯医者さんにしては良いホームページを作っているなという印象を持ったこともあるが、一番の理由は院長自らのメッセージ。院長の言葉は私には伝わるものがあった。
自分たちの考えをしっかりと考えてアウトプットされた文章は、人を動かす力を持っていてる。だからこそ、ホームページに掲載する文章はとても重要で疎かにしてはいけないと、ユーザの立場に立って改めて感じた。さらに実際に受診した際にも参考になることが多々あったので、それを思い出しながら書き留めていきたい。
[ 目次 ]
治療前にしっかりと説明をしてくれる
レントゲンはもちろんのこと、専用のカメラで歯を撮影しそれをモニターに写しながら、現在の歯の状態を説明してくれた。話だけの説明と、実際にモニターを見ながら説明を聞くのでは理解度が全く違う。素人でも状態がある程度理解できるし、何より納得して治療を進められる。
以前すごくお世話になったクリニックでも写真を撮影してくれたところがあったので、個人的には初めてではなかったが、歯の撮影をするクリニックはあまり多くはないのではないかと思っている。逆にレントゲンを取らなかったり、何の説明もなく治療がスタートしたという話も実際に知人から聞いたことがあるので、そういったところとはクリニックに寄せる信頼度は必然的に大きく違うもにになる。
院長自らクリニックの考え方や方針を伝えてくれる
初回は歯の状態を調べるだけで治療はなかったが、最後に院長自ら説明に来てくれた。話してくれた内容は、直前に聞こえていた隣の患者さんとの会話と同じ内容だったので、院長自ら全ての患者さんに同じ説明をしているのだろう。予防歯科が大事という内容だったのだが、客観的なデータを示しながらの説明だったので、すっと入ってきた。
訪問診療のパンフレットを用意しサービスの認知に努めている
院長が話しの最後にクリニックと訪問診療と2つパンフレットや連絡先が印刷されたマグネットなどが一式入った袋を渡してくれた。訪問診療のサービスがあることはホームページで気付かなかったが、しっかりと自分たちのサービスが認知されるように地道な努力をしていることを知ることができた。
お礼のはがきが届く
初回の診療が終わってから3日後くらいにがきが届いた。内容は簡単なものだったが、患者さんとの接触回数を確実に1つ増やす仕組み、またより確実に次の来院につなげる効果的な仕掛けをしっかり行っている。
歯の磨き方の説明も時間をかけてしっかり行う
2回目の診療では、はじめに時間をかけて丁寧に歯の磨き方を教えてくれた。歯の磨き方を教えてくれた歯医者さんは何度かあるが、今までで一番丁寧にだった。いつも磨いている方法を実際にやってもらい、より良い磨き方のアドバイス、磨く時の力の加減、磨く時間、さらには磨き残しが発生しやすい箇所、磨きにくいところは歯の模型をつかってどのような歯ブラシの持ちかたで歯に当てるべきかなど、本当に事細かくしっかり教えてくれた。
これらが通い始めた私が体験して印象に残ったことなのだが、一つひとつを個別に見ると正直すごい驚きという程のものではない。しかし、ホームページでのメッセージにはじまり、診療における説明の内容、話し方、姿勢。これら全てが「患者さんにより良い治療を提供する」という軸があり一貫しているので、その想いが患者側としてしっかり伝わってきた。
今までも治療前にしっかりと説明してくれるクリニックもあったし、後日はがきを郵送してくれるクリニックも歯の磨き方を説明してくれるクリニックもあった。
しかし、思い出す限り全てやっていたところはなく、これはやっているがあれはやっていないといったように今までお世話になったクリニックは1つの点でしかなかったが、はらデンタルクリニックさんは点が結ばれて線になっているような感覚だ。さらに全てが平均点以上なので接するたびに信頼度があがっていくような仕組みができているように感じている。
どこまで計算してこれらを実施しているかはわからないが、少なくとも私にはここでお世話になりたいと思わせてくれるものだし、多くの患者さんに支持されることがこれらの施策の効果を何よりも物語っている。
今後も通い続ける中で新たな驚きを感じことがある気がしているが、こういった体験を重ねることで、サービスが線から面になった時には、もう他には行けないという感情になるだろう。この体験を通して感じることとして、どんな業種の仕事でも同じことが言えるのだと思うが、お客さんに提供するサービスそれぞれが単発になって効果をほとんど感じることがないというのは非常にもったいない。
それぞれのサービスがつながって相乗効果が出るように考えることが、すごく大切だということを身をもって体験させてもらった。ホームページ、SNS、名刺、パンフレット、言動などお客さんとのタッチポイントは、お客さんにとってみると全て企業からのメッセージなので、疎かにせず一つ一つが重要なタッチポイントであるという認識を持つことが大切だ。
自社もそういう視点で改めて見つめ直すことが必要だし、クライアントへ提案する際にも点ではなく線に、最終的には面にするような施策がクライアントの発展につながっていくということを常に心がけていくことがこれからより求められるだろう。
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