デザイン修正を行う時に気をつけるべきこと
ホームページを新規で制作する、またはリニューアルをするといったとき、お客さまから修正のご要望が圧倒的に多いのがデザインに関することです。デザインは目に見える部分ですし、お客さま自身がいちユーザとして様々なホームページを閲覧することで、ホームページのデザインに対する好みが意識的・無意識的に関わらずでき上がっていることが大きな理由だと考えています。
どのようなページが必要か、またページをどのようにグルーピングするかといったサイト構成、またページの名称を決めURLにも関係するディレクトリ名称について、CMSを導入する場合の管理画面など。このようなことは目に見えにくい部分、またWeb専門の知識がないと判断しづらいということもあり、当たり前ではありますがあまりご要望をいただくことはありません。
ホームページの制作過程で多くの要望をいただくデザインですが、こうして欲しいという要望をなんでもかんでも伝えば良いものが作れるかというと、必ずしもそうではありません。今日は今まで実際にお客さまとのやりとりの中で感じてきた、修正のご要望を出す時に気をつけるべきことという視点でブログをまとめてみました。
イメージは可能な限り具体的にする
例えばデザイナーから上がってきたデザインデータにどこかしら物足りなさを感じ、もっと華やかにしたいという要望があるとします。これをそのまま抽象的な言葉で伝えても、それが色味なのか、使用している写真なのか、そもそも文章や写真、イラストやボタンといった要素が少ないのか、お客さまがどのような理由で物足りなさを感じているのか、またどのくらいの華やかさを求めているのかということを掴みとることが難しいのが正直なところです。
例えばホテルのホームページ(例:https://www.palacehoteltokyo.com/)について見る人によっては、シンプルでカッコいいという印象を持つ人もいれば、大人びていて冷たいという印象を持つ人もいれば、もっと違う印象を持つ人もいると思います。あくまでも一例ですが、人によって捉え方が違うので、抽象的な言葉ではお互いの認識にズレがでる可能性があります。
かといって、全てを具体的に説明するというのも難しいと思います。デザインをしっかり学んできた人でなければ全てを論理的に説明するのは不可能に近いと思います。どうしても感覚的でしか伝えられないこともあると思います。
そのような時は、ご担当者さまがイメージしているものに近い他社のホームページなど参考に制作会社に見せながら伝えるなどすると良いと思います。制作会社としても比較することによって、お客さまがどこに物足りなさを感じていて、どのように修正すればご要望に近い表現ができるのかということがイメージできるようになります。
細かい部分はデザイナーにある程度任せる
こだわりがある方ほどなかなか難しいかもしれませんが、今まで何度もある程度は任せるという判断も必要だということを感じる場面がありました。ご担当者さまによっては細部までこだわりたいという強いお気持ちを持たれていることもあり、そういったお気持ちは自体は非常に大事なことだと思っていますし、制作側としてもお気持ちは理解しています。
それでも、なぜある程度任せる部分も必要と感じるのかということについて、デザインではなく料理に例えてお話すると理解していただくことが多いので、ここでも料理に例えて話を進めたいと思います。
プロの料理人が作った料理に対して、味が濃いのが好きだからもう少し濃い目でお願いしますと伝える場面があったとします。その際、塩は小さじ1/3くらい追加して、コショウはさっと一振り、みりんはちょっと控えめにして、醤油はたっぷり○○ccなど、細かい部分にまでいちいち指示することはないと思います。
よほど舌に自信がある人以外は、細かく指示出すことが逆に料理を台無しにしてしまうことになると感じるのではないでしょうか。一方料理人の方も、プロであればあるほど、恐らく指示通りにすることはないと思います。
これと同じようなことがデザインの修正でも起こり得ます。色1つとっても、色には色相、明度、彩度といった3つの要素があり、これらを理解していないと全体のカラーバランスが崩れてしまいます。通常、デザインを勉強してきた方でなければ、こういったことを理解していることはほとんどないと思います。
ボタンなどのデザインに関しても、ホームページ特有の仕組みやスマートフォンに対応するためのことを考慮してデザインをする必要があります。こういったことも担当者さまが全てを理解することは非常に難しいと思っています。
だからこそ、軸となる部分はしっかりと修正の要望を伝えつつも、細かい部分はある程度任せる必要があると思っています。もちろんそれでも納得できない部分も発生する事はあると思いますので、その際は指示というより相談という形で制作会社に伝えると、より良いものができ上がるのではと考えています。
まとめ
デザイン修正に限らず、Web制作会社側として修正希望はもちろんどんどん言っていただきたいですし、できればご要望通りに叶えて納得していただきたいと思っています。しかし、ご要望をなかなか汲み取れなかったり、時にはWeb制作会社としてお客さまの要望を受け止めつつも反対の提案をする必要がある時があります。
ホームページの制作前には打ち合わせを行い、デザインの方向性などを決めていきますが、それでも修正は必ずといってよいほど制作過程ででてきます。その時にお互いがこのようなことを理解した上で前のめりな議論を交わすことができた時、統計をとったわけではないですが、肌実感として一番良いものができるという実感があります。
今日のブログが少しでも参考に参考になれば幸いです。
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